マイコンテンツ

ここから本文エリア

特集 (4)心地よい歌声、いじらしさに胸打たれる実咲

2014年11月20日更新
写真:「白夜の誓い」公演から、ソフィア役の実咲凜音=撮影・岸隆子 「白夜の誓い」公演から、ソフィア役の実咲凜音=撮影・岸隆子

 トップ娘役の実咲さんはデンマークの王女ソフィアで、誇り高く、スウェーデンに嫁いできました。グスタフから不本意な政略結婚であることを告げられますが、それは彼女にとっても同じこと。けれど次第に彼の優しさと強さに気づき、愛するようになります。透き通って伸びのある歌声は耳に心地いいですし、思いを告げることなくグスタフの無事を祈るソフィアのいじらしさには胸打たれずにいられません。情熱的に愛しあう設定が少ないトップコンビではありましたが、いつも確かな実力で凰稀さんを陰でしっかり支えていたのが印象的でした。実咲さんはそのまま、次に就任する朝夏さんの相手役もつとめます。これまでとはまた違った魅力が引き出されるかもしれませんね。

 グスタフは当時のスウェーデンには進歩的過ぎる考え方の持ち主でした。でもそれは国の平和と国民の幸せを願うという、今の時代なら当たり前のこと。しかしアンカーストレムはそんな平和主義は現実的ではないと、軍備の増強を進言します。グスタフは国民を、アンカーストレムは国を、それぞれ守りたいものの根本は同じはずなのに、互いを信頼しあっているはずなのに、相いれない怒りは、やがて思いもよらない悲劇へと追い詰められていきます。

 パリに残されたイザベルは、アンカーストレムとの友情は…国王であるがゆえのジレンマに苦悩するグスタフ。低体温なイメージの凰稀さんが、静かに炎をたぎらせる姿が印象的です。ラストはもちろん、凰稀さんの退団に重なる感動のシーンへ。たくさんのエピソードはドラマチックというよりも、淡々と表現されていましたが、豪華なセットと衣装に彩られ、昔ながらの宝塚らしさにあふれた作品です。

戻る 続きを読む