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特集 (1)四宮:「すごい! ダイヤの原石だ!」と思った

2015年1月6日更新
写真:四宮貴久=撮影・斎藤泉 四宮貴久=撮影・斎藤泉

――「TRAILS」に出会った経緯と、自ら日本で上演しようと思った作品の魅力についてお聞かせください。

四宮:脚本家のクリスティ・ホールとは以前から友人で、彼女からこの作品ができあがったばかりの頃に脚本を読ませてもらい、音楽を聴かせてもらったんですね。そうしたら、とにかく楽曲が素晴らしくて、「これはすごい! ダイヤの原石を見つけた!」と思いました。

 作曲/作詞を手掛けたジェフ(・トムソン)/ジョーダン(・マン)はジョナサン・ラーソン・パフォーミング・アーツ基金(「RENT」の作曲家・脚本家である故ジョナサン・ラーソンの名を冠した、才能ある劇作家の卵を支援する団体)から助成金を受けるなど、ミュージカルのコンポーザー/作詞家としてはトップクラスのサポートを受けている若い才能ですし、脚本家のクリスティもまだ若手です。

 私はクラシック作品にはよいものがたくさんあると思いますし、「RENT」もいい作品ですが、もう20年前の作品です。この作品に限らず、今の時代を反映した新しい作品がどんどん積みあがってきているのを見ていて、日本では知られていなくてもいい作品があるんだいうことをシェアしたいと思いました。また、「TRAILS」は本国でもリライトを重ねながら、公開規模を大きくしていっているので、もっと成長していくかもしれないという期待、完成していない楽しさも感じました。

――日本での上演にあたって、ミュージカルは生オケですとバンドも必要ですし、ストレートプレイよりもハードルが高いと思うのですが、苦労はありましたか?

四宮:自分はつくづく周りの人に助けられているなと思います。プロデューサーと名乗るのはおこがましいぐらいで、ただただ「この作品をやりたいから、みんな協力してください」と言いました。自分ひとりではできないので。だから、作品に参加していただく方には台本やCD、前回の稽古場なども見てもらった上「あ、これは!」と思って参加してもらっているので、みんな作品に対する愛があります。役についてお話ししてくださるときも、言葉がたくさん出てきます。そんな「舞台に出ている人間も、この作品が好きなんだ」という気持ちがエネルギーとして劇場に充満して、お客さんに伝わっていくんじゃないかなと思っています。

――主人公セス役の藤岡さん、ヒロインのRiRiKAさん(Wキャスト)は初演からの続投ですね。おふたりのキャスティングについて、教えてください。

四宮:おふたりとは「ミス・サイゴン」で共演したのが最初です。それからマサ(藤岡正明さんの愛称)とは仲よくなって。「TRAILS」を日本で上演するときは「セス役にはマサしかいない」と最初から思っていました。声が合うし、とにかくパッと思い浮かびました。RiRiKAさんとは「ミス・サイゴン」の後に「イントゥ・ザ・ウッズ」で夫婦役で共演して、「小劇場の、こういう距離ではこういうお芝居をするんだ」と知って、歌は抜群にうまいし魅力的だなと思いました。その作品で演じていた自分を解放する役柄は、「TRAILS」のエイミーにも通じるんですね。エイミーは自由人で、そこにセスもマイクもひかれて憧れる。そういう、パッとした明るさがあるのかなと思いました。

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