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特集 (5)四宮:良いミュージカルがこんなにあるよと広めたい

2015年1月6日更新
写真:右から、四宮貴久・RiRiKA・藤岡正明=撮影・斎藤泉 右から、四宮貴久・RiRiKA・藤岡正明=撮影・斎藤泉

――今回のフルバージョンの上演に当たり、前回公演からの変化をお聞きしたいのですが。

四宮:バンドはパーカッションを入れます。その違いは大きいなと思っています。先日、シアトルで見たときには500人ぐらい入る大きな劇場だったので、オーケストラピットがあって、岩山のセットがどーんとあって、大がかりですごかったんです。でも、そこまでする必要がないと脚本家も言っているし、自分も歌とせりふと照明で壮大さを表現できると思っているので、セットはシンプルになる予定です。でも、音楽は命なので、パーカッションは入れたいと。演出家からはパーカッションを入れると、アクティングスペースが少なくなると言われたんですが、なんとか許可をいただきました。

――ちなみに、本国の最新上演版ではさらに脚本が改訂されて、追加楽曲もあったそうですね。

四宮:クリスティから「10%か20%くらい変わったかな」と言われていたのですが、もっと変更されていました。マイクとセスが、お互いどういう立場だったかということが以前より明確になっていて、セスのマイクに対する羨望(せんぼう)が色濃くなっています。また、エイミーがふたりにとって絶対的なリーダーとして描かれるようになって、その物語の変化に伴ってエイミーのナンバーも増えています。曲が追加されただけでなく、なくなった曲もあって、よりそれぞれの人物像がクッキリしています。

――キャストも新たに加わる方がいらっしゃいますが、なかでも前回は四宮さんが演じられたマイク役がtekkanさんになったことが大きな変更点かと思います。

四宮:前回は知らなかったがゆえに、自分が制作作業や翻訳などやり過ぎた部分があったので、今回はバックアップに徹したほうがいいんじゃないかと思いました。マイク役については、藤岡さんから候補の俳優さんを上げてもらって、そのひとりだったtekkanさんがご自身もミュージシャンとして活動されていることもあり、お願いしました。それと、偶然なのですが、先日NYに行ったときに、ネパール人の友達から「ニューヨーク国際フリンジフェスティバル」で上演された作品(TipTapオリジナルミュージカル「Count Down My Life」)でのtekkanさんの演技が素晴らしかったと聞いて。あ、やはり縁があったんだと思いましたね。

 それと、ヴァージル役(改名された前バリー役)を演じていただく柳瀬大輔さんは低音が響く方なんです。ヴァージルの曲はキーが低いんですよ。二幕冒頭で警備員たちが迫力たっぷりに歌う“Mountain Hymn”は、今回は改名されて内容も少々変わり、“Hymn to Walking”となっていますが、重厚な声がどーんときたらどうなるんだろうと、すごく楽しみです。

――一幕はセスとマイクとエイミーの幼少時代が中心に描かれるのでポップな楽曲が多いですが、二幕では荘厳でスケールの大きな楽曲“Mountain Hymn”でガラリと雰囲気が変わり、次第にミステリアスかつシリアスに展開していくのもこの作品の面白さだと思いました。一幕は楽しくコミカルな面が強くて、二幕は大自然の恐ろしさのようなものを感じさせて。観劇したときの興奮を皮膚感覚で覚えています。

四宮:うれしいですね。作品を大切にしたいと思うんですよね。知られていない良いミュージカルがこんなにあるんだよ、ともっと広めたいです。それと、日本ではどの役者さんが出るから見に行くということがあると思うんですが、自分がブロードウェイでミュージカルを見るときに、役者で見ようとは思わないんですよ。あくまで作品を見に行きたいと思うので。

――なかなか、事前にどんな作品なのか知る術が少ないのかもしれませんね。「TRAILS」は一度音楽を聴くと、その魅力にハマってしまうという方が多いと思います。

四宮:前回「TRAILS」を上演したときも最初はお客さんが少なかったんですが、回を重ねるにつれて、リピートして下さる方含め増えていきました。うれしかったですね。

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