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特集 (4)蓮水:やめよう、でも上と下をつなぐ間は残る

2015年1月16日更新
写真:蓮水ゆうや=撮影・宮川舞子 蓮水ゆうや=撮影・宮川舞子

――おふたりが共演される「CONNECTION」についてお伺いしたいのですが、蓮水さんはこのお話を伺った時、どう思われましたか?

蓮水:いや、もう、「わ、わ、わ、わ、わたくしがですか!?」「うぉ、うぉ、お、お……!?」という感じでした。

中川:今、男っぽかったですね!かっこ良かったです!

蓮水:(笑)。でも企画内容などを伺ったらすごく楽しそうだし、「私でよければ頑張りたいと思います」とお答えしました。

――特にこういう作品だからやりたいというよりも、直感的にやりたいと思ったような感じでしょうか?

蓮水:そうですね。私もやめたばかりなので、明確なビジョンがまだないんです。とりあえずは宝塚をやめるというのが人生の中で大決断だったので。宝塚は、いようと思えばいくらでもいられますしね。

中川:なぜやめようと思われたんですか?

蓮水:年齢もありますね。あとは自分が宝塚にいてどうしたいかと考えたときに、この先に自分がいるビジョンが見えなかったというか。

中川:やりきった?

蓮水:自分の中ではありますね。何も知らずに入って、勉強してやった割には、十分楽しみました。

――お話しづらいことだったらお答えして頂かなくてもいいのですが……。宝塚でトップの方の退団というのは、ファンにとってもある程度納得出来るんですけれど、蓮水さんのようなポジションの方が退団されるのはとてもショッキングなことですよね。

蓮水:だから、私がやめることに対して「何でやめるの?」という方と、「おつかれさま」という方といましたね。

――特別に蓮水さんのファンという方でなくても、蓮水さんが退団されるのはもったいないと思われた方がたくさんいたと思うんです。

蓮水:私の性格だと思うんですけれど、何か物事を決めたり、行動するときに、あまり損得を考えるタイプではなくて、こうと決めたらこうなんです。例えばこれが欲しいと思ったら、手に入れないと気が済まなかったり。退団を決意したのも、悩んでどうしようというのがあまりなかったんですね。「あ!やめよう!」と、スカッと思ってしまったので、どうしてと聞かれても「わかりません!やめようと思ったので!」と。

――気持ちがいいですね。宝塚に入られたのも、思い切りよく決断されたんですもんね。

蓮水:ただ、やめた後に、ちょっとだけしんどかった部分があったのかなと思いました。自分の立場だったり、周りの期待だったり。もちろんファンの方の応援はありがたいことなんですけれど、それが自分の意志じゃないときもあるので、それに対しての重さだったりがいろいろしんどかったのかなというのはどこかありましたね。実は、初めてやめようと思ったときに舞台で踊っていたんです。暗い場面だったのに照明室がすごく明るくて、照明さんが間違えちゃったんだと思った。そのとき、ふと「やめようかな」と思ったんです。後々にわかったのが、その日大殺界が抜けた日だったんです!

全員:(爆笑)。

蓮水:だから何かサインだったのかなと。そのやめようと思った日から結局2~3年いました。その頃は宙組の体制が変わるときだったんです。組み替えがあって、北翔さんや同期がいなくなって、自分がひとり宙組に残ったときに、私も今ここでさよならをしたら、上と下をつなぐ間の学年がいなくなってしまう。私がここに残ることで組にとって役に立つのならもう少し残ろうと思ったんです。それがすっきりしたらやめようと思っていたので、それからの2~3年は気が楽でした。向かう先が見えた状態で、あとは走るだけだったので、すごく楽しかったし、自分が知り得なかった男役を確立出来たので、結果いて良かったのかなと思います。そのときは迷って決断したとしても、後々良かったと思うことって結構多いので、なるべく自分の直感で行動したら後悔も少ないかなと思います。

中川:直感ってありますよね。自分自身も、ファンの方にも、そのときはわからなかったことも、その後の仕事や生き方で「あのときいろいろあったけれどあれで良かったんだ」と思ってもらえる日が必ず来るから、そういう意味では、これで合っているのかなと自信が持てないでいるよりも、直感を信じて突き進んでいくことの方が道は開いていきますよね。光のような人ですね。インプットされました!

中川:出演者の中で知っている方はいますか?

蓮水:お名前ぐらいしか。舞台を拝見したことはないです。

中川:意外と見ていないですね(笑)。だんだんわかってきました(笑)。

蓮水:(笑)。

中川:いい意味でまっさらな方ですね!僕も今回はかなり挑戦だと思っているんです。「CONNECTION」を演出する大澄さんはシアターダンスの第一人者で、シーンの意味や、振り付けの意味、ミュージカルって何?という根本やルーツみたいなものを勉強されてきて、なおかつショーを作りたいという思いで、今回満を持して作られる。この作品にはそれらがぎゅっと詰まっていると思うんです。僕らはあたりまえのようにステージに立っているけれど、そこにもうひとつ思いを巡らせることで見えてくるものがあるんじゃないかと。同じ歌でも、何の歌で、だからこの歌で、だから今なんだと思いを巡らせながら、その瞬間この板の上にダンサーとシンガーが融合したりぶつかりあったりする。ライブでもあり、ショーでもあり、さらにステージに立つものとして挑戦の機会だなと思ったんです。蓮水さんと一緒にやると聞いたときは、何が出来るのか、何が生まれてくるのかということも、まっさらで。余計な知識は入れずに、その場で生まれるものの中で、答えが見えたらいいなという意味では、今日お会いしてすごく楽しみになりました。

蓮水:私も北翔さんから中川さんのお話は伺っていたんですが、お会いしてみてもその印象はあまり変わらなくて、良かったです。

――出演される皆さんのファンの方はおそらく見に行かれると思うんです。でも、この公演の仮チラシを見た方は、「マイケル・ジャクソン」「ボブ・フォッシー」「フレッド・アステア」「本物の歌と本物のダンス」というワードや出演者の名前を見て、何をやるんだろうかとピンと来ないと思うんですね。

蓮水:そうですよね。何なんだろう?というところで引っかかる感じですよね。

中川:今の段階での構想なんですが、1部と2部に構成が分かれていて、1部は現代の誰もが感じる人と人との繋がりについてのストーリーを、男女を通して歌とダンスで描くもので、クラシックをポップスにアレンジしたような楽曲が中心。2部はショーのようなイメージで、ミュージカルナンバーが中心。フレッドアステアがマイケルジャクソンのPVの元になっていたシーンなどボブ・フォッシーの有名な振付のイメージをマイケル・ジャクソンが自身のPVに取り入れていたような楽曲を中心に現代的なアレンジで作る予定です。作品全体についていうと、お客さんに何を見せたいかという目的に向かって、ダンサー、シンガー、振付、音楽、演出全体が自分たちの役割を果たしていった結果、見えてくる世界だと思います。「役」にとらわれて生まれてくるというよりは、「エンターテイナー」という面がすごくあると思うので、語らずとも何を感じているのかを表現するというのは、すごく面白いですよね。

蓮水:面白いですよね。私も宝塚のショーでも、抽象的な表現、「水」とか「風」とか、そういうのが好きなんです。だから役でも、ちょっと屈折している役とか、心に闇を持った人とか、そういう役の方が難しいし大変なんですけれど、やりがいを感じるというか。私は挑戦と勉強ですが、楽しみですね。

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