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特集 (5)中川:他のミュージカルコンサートと違う何かを

2015年1月16日更新
写真:中川晃教(左)と蓮水ゆうや=撮影・宮川舞子 中川晃教(左)と蓮水ゆうや=撮影・宮川舞子

――最後にメッセージをお願い致します。

中川:最近ミュージカルコンサートが多いと思うんです。

蓮水:確かにそうですね。

中川:僕も何本もやらせて頂いているんですけれど、俳優さんがその歌を歌うだけで一瞬にして、喜びや感動が生まれるという意味では得をした気分になれるんだけれど、一方でそればかりやり続けていたら、次のステップを模索してしまう自分がいるんです。自分でもなぜそう思ったのかと疑問を感じていて、多分ミュージカルも進化しているはずなんですよ。当然新しい俳優とか、新しい才能を持った世代が、自分たちよりも後ろにどんどん出てきているわけですよね。自分もちょっと前までは新人だったけれど、今や中堅になっているのかなと気づかされる瞬間に、このままじゃいけないと思うんです。

 もちろん、そういう意識を持ち続けながらも芸を極めていき、自分たちでものを作っていくということを念頭においてやってきました。ミュージカルという世界の中で新しいものとは何か、ミュージカルが進化していくとするならば、その進化の過程とは何なんだろうと思ったときに、どんな作品が生まれ、どんな人間たちが集うのか。そしてそれを見たお客様は他のミュージカルコンサートとは違う何かをどんな風に思って帰ってくれるんだろうと考えたときに、この作品と出会ったというのが正直な気持ちなんですよね。

――ミュージカルの新しい何かを生み出すんですね。

中川:例えば僕がやらせて頂いた「モーツァルト!」という作品のナンバーはもちろん歌わないと思うんです。でも、ミュージカルの中に確実に「モーツァルト!」の布石はあると思うんですよね。それはモーツァルトがクラシックであるということと、音楽の全てのルーツはクラシックからだから、必ずミュージカルの水脈の中には息づいているはずなんですよ。そう考えたときに1部のクラシックを元にした曲で男女が出会うというシチュエーションを、歌と踊りで見せていく発想なのかもしれないですね。

 僕は「モーツァルト!」をやらせてもらっているから、クラシックというところにシンパシーを感じたり、そこに進化というものを見いだしたり、自分なりにそこから感じることを掘り下げていったり出来るなと思ったりします。今回は、音楽というところで、ミュージカルというものを作り手として表現する上で、読み解いていくことが大いに出来ると思っているので、蓮水さんと同じ気持ちで、学びたいという思いと野心とが混ざっています。その行き着く先に「ボブ・フォッシー」「フレッド・アステア」というミュージカルシーンに代表される方、そして「マイケル・ジャクソン」という言葉がすごく明確に浮き立っているところがすごく面白いと思うんです。

 歌は語るもの、芝居は歌うものだと教わったんですけれど、自分が影響を受けたものたちは確実に自分の中にあるんです。そういう影響を受けあって与えあって育んできているエンターテインメントというのがある。そして、それがミュージカルであるとするならば、「マイケル・ジャクソン」「ボブ・フォッシー」「フレッド・アステア」というこの三つの名前が並び、さらに大澄さん、蓮水さん、僕、ダンサーたちの名前が並んだ瞬間に、これってどんな歴史なんだろうと感じるんです。もし、自分がそういう歴史の一ページになりうる存在であったならば、出来ることは全てやりたいと、そういう意気込みを持ってやりたいと思っています。

――今のお話を受けて蓮水さんはいかがでしょうか?

蓮水:私は舞台しか経験していないんですけれど、劇場の空間というものってその時間にそこにいる人にしか味わえないもので、それが舞台の良さですよね。いろんなジャンルの方が一緒に集まるというだけでもわくわくします。宝塚は少しずついろんなものをかじるので「ボブ・フォッシー」「フレッド・アステア」などになじみはありますけれど、深く掘り下げたことがないので、そういった意味ですごく楽しみです。お客様もそのわからない、どういうものなんだろうという興味だけでももう十分なんじゃないかと思います。いろんなものを作るというのはその時その時のものなので、そこにこういう風であって欲しいというお客様の期待をむしろ裏切るぐらいの舞台の方が素晴らしいと思うんです。興味があるんだったらぜひ来てください!

中川:やっぱり潔い方ですよね。

全員:(笑)。

中川:光の矢のような。素晴らしい!

蓮水:善かれあしかれ、そこに行かなければ味わえないものがこの舞台にはきっと存在するんじゃないかと思います。

中川:女優としてもそういう気持ちが絶えずあるんですか?

蓮水:そうですね。感じたままにお芝居も歌もやっていけたらなと思っています。

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