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特集 (6)蓮水:男・女ではなく自分をお客様に表現したい

2015年1月16日更新
写真:中川晃教(左)と蓮水ゆうや=撮影・宮川舞子 中川晃教(左)と蓮水ゆうや=撮影・宮川舞子

中川:蓮水さんが一番得意なものはなんですか?

蓮水:お芝居は宝塚に入るまでやったことはなかったですけれど、クラシックバレエは小さいときにやっていたので、唯一やったことがあるのはダンスだけなんです。今はお芝居が好きですね。芝居に出会ってはじめて自分が知らなかった性格や感情があって、普通に生活していたらこういういろんな気持ち、恋する気持ち、挫折、愛とか、もしかしたらそういうものに少し疎くて、この年まできていたかもしれないなと思います。芝居をやることによって自分だけじゃない人格をたくさん演じられるというのは人生の財産だったなと思うんです。もはや性別さえも超えましたからね。

全員:(笑)。

蓮水:贅沢(ぜいたく)な人生ですよね。女優としてお芝居をするのは初めてですけれど、同じお芝居なのに男役のときはまず性別を演じて、それをさらに演じるじゃないですか。だからこの役を演じるのに、男の人だったらどうするのかなとか、私はここで泣きたい、でも男の人は泣くのかな……とそういう考えで作っていくんですけれど、今はストレートな感情で芝居してもいいという、本当のお芝居に出会ったような感じですね。瀬奈じゅんさんが好きで、在団中からいろいろお話しさせて頂いていたんですけれど、トップをされていた頃は「男役が私の天性のもので、男役をやめるって信じられない」とおっしゃっていたんですよ。でも退団されていくつかお芝居をされて「ちいちゃん、女優はいいよ!女優の方が楽しいよ」って。

全員:(笑)。

蓮水:そのときは「え!?」と思ったんですけれど、でも今それがわかったような気がします。宝塚にも男役が好きという方と、舞台が好きという方と、いろいろいらっしゃると思うんですけれど、本当にお芝居が好きな人って男役とか女であることとかが変わらないんでしょうね。自分を表現して、それをお客様が喜んだり涙したりするのを見るのが、自己満足なのかもしれないですけれど好きだから。

中川:今のは面白いですね。役者としての自分が今、見えてきているんですね。

蓮水:そうですね。今、とても楽しいと思っています。

<インタビューを終えて>
 初めてお会いする方同士の対談を初めて体験した。「どんな対談になるのだろうか」と思いながら臨んだ取材だったが、おふたりの共通点から話していると、中川さんが蓮水さんにいろんなことを聞き始めた。その流れの中、退団の理由をさらっと質問する様子に耳が立った。やはり退団についてはお聞きしたい内容だったのだが、限られた時間の中で、初めましての対談の中で、その質問は浮かないだろうかと考えていた。「よくぞ聞いてくださった!」心のなかでつぶやいた。正直な思いを話してくれた蓮水さん、スムーズに聞き出してくれた中川さん。おふたりに感謝しきりである。

 すっかり打ち解けた様子は、写真からも伝わってくると思う。おふたりが稽古を経て、私たちに見せてくれるステージでは、ミュージカルの進化した形が出来上がっているのだろうか。またはその可能性を感じる作品になるのだろうか。興味はめちゃくちゃあります。今、興味を持っている皆さん。ともに劇場に行って、それぞれの目で確認しましょう!(岩村美佳)

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◆「THE SHOW INFECTED “CONNECTION”」
《東京公演》2015年3月19日(木)~22日(日) 天王洲 銀河劇場
⇒内容については公式ホームページなどでご確認下さい。
http://www.gingeki.jp/performance/index.php?date=201503

《筆者プロフィール》岩村美佳 フリーランスのフォトグラファー、ライター。舞台関係、ファッションなどを中心に撮影してきた経験をいかし、ライターとしても活動している。「目に浮かぶ言葉」を伝えていきたい。