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特集 (5)ダンスの花組を受け継ぐように一体となって踊る

2015年3月27日更新
写真:「宝塚幻想曲」公演から=撮影・岸隆子 「宝塚幻想曲」公演から=撮影・岸隆子

 2幕のショーは、レヴューロマン「宝塚幻想曲 タカラヅカファンタジア」。

 すぐに口ずさめそうなメロディーの主題歌とフレッシュなオープニングは、珍しい和太鼓のリズムがベース。このショーは夏の台湾公演でも上演されるせいか、洋風の中に和のテイストが感じられるのも大きな特徴でした。中詰めで再びこの主題歌が流れる際は、実際に若手たちがナマで和太鼓を聞かせてくれますので、迫力あるバチさばきもお見逃しなく。次に、瀬戸かずやさんと水美舞斗さん、鳳月杏さんの3人が中心となった波のシーンや、夜の摩天楼を舞台にした花組らしいスーツの男役ダンスが続きます。

 そして、今回もっともコミカルなのはバスケットボールのシーン。さえない学生の芹香斗亜さんが、好きな女の子のためになんとかシュートを決めようとしますが……。不良っぽいチームと対戦する展開は、2002年の花組公演「Cocktail」を思いださせます。芹香さんのヘタレ具合がなんとも可愛らしくて、芝居で演じたワイルドな役とのギャップがたまりませんでした。

 柚香光さんも1場面でメインを張っています。黒ずくめの妖しい男は、嵐の化身。花園の少女、花乃まりあさんを惑わせるのですが、切れ味鋭いダンスと若々しい色気が交錯する妖艶(ようえん)なシーンとなりました。

 さらに全員で「風」を表現するシーンと、大階段が圧巻です。三味線で奏でるロックテイストにアレンジした「さくら」に乗せて踊る黒燕尾は、複雑なフォーメーションに目を奪われる。よくぶつからないなと思うほど大人数が機敏に動いていて、2階席から確かめたいほど、素晴らしい群舞でした。

 明日海りおさんはどちらかといえば“歌の人”という印象でしたが、どのシーンも中心になって踊る踊る。“ダンスの花組”の伝統を受け継ぐように、全員が一体となって激しく踊り続けているのが気持ちいい!

 芝居もショーも密度が濃く、息つく暇もなく最後まで駆け抜けます。明日海さんと花乃さんが息の合った良いトップコンビになりそうな予感と、新生花組の若々しい息吹には、理屈抜きで心を打たれることでしょう。新生花組のまぶしさは、これからあたたかくなる春の日差しにも負けることはありません。

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◆「カリスタの海に抱かれて」「宝塚幻想曲(タカラヅカ ファンタジア)」
《宝塚大劇場公演》2015年3月13日(金)~4月20日(月)
《東京宝塚劇場公演》2015年5月15日(金)~6月14日(日)
⇒内容については公式ホームページなどでご確認下さい。
http://kageki.hankyu.co.jp/revue/2015/calista/index.html

《筆者プロフィール》さかせがわ猫丸 大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。