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特集 【インタビュー】坂東玉三郎演出「アマテラス」
小田洋介×愛音羽麗、成功祈願を終え、思いを語る

2015年4月17日更新

 春の兆しを告げるような青空が広がった3月25日、伊勢神宮の皇大神宮(内宮)に坂東玉三郎、鼓童の小田洋介、元宝塚歌劇団男役スターの愛音羽麗が、大阪松竹座5月公演『アマテラス』の成功祈願に訪れた。(ウエストプラン・松田きこ)

 皇大神宮(内宮)の御祭神は天照大神(あまてらすおおみかみ)。「古事記」を題材にしたこの作品で、アマテラスを演じる玉三郎は、「ここに祀(まつ)られている神様を演じるなんて僭越(せんえつ)ですが」と前置きして、「神様は結論を出さないし、言葉に出さないと説明を受けました。この『アマテラス』も、結論もないし始まりもわからない抽象的な面があります。だけど実際に見ると何かを感じていただけると思います」とのべた。

 『アマテラス』は玉三郎が、新潟・佐渡をベースに世界中で活動している太鼓芸能集団 鼓童と共に作り上げた音楽舞踊劇である。和太鼓や笛といった日本の楽器を数多く取り入れ、歌と踊り、いや、舞いと言う方があてはまるだろうか、セリフなしで神話の世界を表現している。2006年の初演から玉三郎が演じるアマテラスは、神々しいばかりの光を放ち、私たちを神話の世界へ誘う。説明するまでもない玉三郎の魅力である。2013年の再演ではスサノオ役を小田洋介(東京・京都)・石塚充(福岡)、アメノウズメ役を愛音羽麗が演じた。

 オープニングの曲をはじめ、2013年の公演は初演から演出を大きく変えた。荒ぶる神、スサノオを演じる小田の血気迫る表情、強い眼力、跳びはねる姿は手に持ったバチがまるで短刀のように見える。スサノオは自身のどうにもならない怒りや寂しさをぶつけるかのように、圧倒的な力強さで大太鼓を打ち鳴らす。スポットライトの中に、激しいスサノオと、その狼藉(ろうぜき)を嘆き悲しむ静かなアマテラスがいる。オレンジの布を翻し、アマテラスが走りぬける瞬間、客席はまるで本当に光を失ったような寂寥(せきりょう)感に襲われるのだ。

 当時、宝塚を退団したばかりだった愛音は、それまでの男役とは違う妖艶(ようえん)な女の神様、アメノウズメ役。天の岩戸を開かせる要となる舞いを踊る。さすがは宝塚で活躍したスター、見るものを引きつける華やかな舞い、決めポーズは見ほれるほどに美しい。玉三郎は、愛音が加わったことで「音楽的にさらに統制された」と評価する。あれから2年、この3人の役どころは変わらず、さらに洗練された舞台へと挑む(スサノオ役はダブルキャスト:3日~13日:小田洋介、15日~26日:石塚充)。

 『アマテラス』で共演した小田と愛音が、昨年結婚したというホットなニュースもあり、さらに息が合った演技が期待される。今回の舞台に対する二人の思いをインタビューした。

〈小田洋介さんプロフィール〉
 1980年生まれ。和歌山県出身。1999年「鼓童文化財団研修所」入所。2003年よりメンバー。新人時代より「三宅」のソリストに抜擢(ばってき)、以降「大太鼓」「屋台囃子」など主要演目のソロ演奏を担当する。2012年より演出を手がけ、太鼓や踊りの演目、唄の作詞・作曲を行う。2013年「アマテラス」でスサノオ役を務める。2014年「アース・セレブレーション」城山コンサート演出。ワークショップ講師や研修生の指導にあたる。

(鼓童 公式サイト:http://www.kodo.or.jp/news/index_ja.html

〈愛音羽麗さんプロフィール〉
 大阪府出身。1997年宝塚歌劇団入団、花組に配属。初舞台は「仮面のロマネスク」。2007年バウホール公演「舞姫-MAINIHE-」主演。その後、「外伝ベルサイユのばら」「ミー&マイガール」「ファントム」などに出演。2012年「サン・テグジュペリ」にて退団。退団後は、「私のダーリン」「アマテラス」「Live Airline」に出演。ライブも開催するなど、幅広く活動している。

(愛音羽麗オフィシャルホームページ:http://aineharei.com/

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◆「アマテラス」
《大阪公演》2015年5月3日(日・祝)~26日(火) 大阪松竹座
⇒内容については公式ホームページなどでご確認下さい。
http://www.shochiku.co.jp/play/shochikuza/schedule/2015/5/post_201.php

《筆者プロフィール》松田きこ。(株)ウエストプラン代表。ライターとして多くのメディアに執筆するとともに、オーケストラや音楽イベントのPRを担う。