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特集 (5)俳優が進化できるところでないとやらない

2015年4月27日更新
写真:山本耕史=撮影・宮川舞子 山本耕史=撮影・宮川舞子

――映像では時代劇が多い印象ですが、それはあえて選んでいるんですか?

 そんなこともないですね。でも時代劇は好きだし、日本人として長くできるものだとは思っています。できて損ではないですしね。

――時代劇を舞台でやりたいと思うことはないですか?

 舞台での時代劇はあまり興味ないですね。

――なぜ?

 舞台で和物をやると、なんか決まってしまっている印象があるんですよね。劇団☆新感線さんや、それこそ歌舞伎ぐらい振り切れている方がいいかなと。

――例えばご自身の演出ならばいかがですか?

 それだったらいいかな。時代劇のイメージを思いっきり変えて作ります。

――見てみたいですね。

 でも時代劇じゃなくてもいいかな(笑)。

――では、劇団☆新感線や、歌舞伎などはいかがですか?

 僕は、あまり確立しているところのものはやらないようにしています。決して否定しているわけではないんですが、自分がそこに入ってどうなるかという形が見えているものには。自分から誰かとやりたいという欲も持っていませんし。

――舞台でも王道な作品よりも、癖があるような、他と違うような作品を好まれているような印象だったんですけれど、そこにゆえんがあるんですね。

 そうですね。「レ・ミゼラブル」の初演再演に出演したときは、当時、革命的な作品だったんですよね。でも、15年後にマリウス役で出演したときは2カ月でやめました。もう確立されていたから。俳優ってサラリーマンではないから、昇進していくシステムではないと思うんです。アンサンブルから始まって役が昇進していくような感覚は違うのではと。出世型ではないと思うんですよ。俳優さんが進化できるところではないと感じたらやらない。

――新人の俳優さんを見ていても、この人はくるなというのはわかりますよね。

 わかりますね。ただ難しいところではあるんです。僕は「この人どうせくるんだろうな」と見てしまう。だから僕が演出した舞台は、舞台初出演の人とか舞台経験の浅い人が多いですね。ジェロくんも、すみれちゃんもそう。「GODSPELL」という作品では素人もいたし。できる人ってあまり興味がないんですよね。

 先日、素人の友達が、やったことがないのに、舞台をやってみるというので見たら面白くて。こんなので舞台に立っていいのかというのが衝撃的でしたね。人がセリフを言っているときにも普通にいて芝居していない感じで、ああ、僕も「やってみたいな」と思った。僕たちに一番できないのは、素人っぽい感じなんです。健康食品のCMのおじいちゃん、おばあちゃんみたいな(笑)。ああいうのができるようになりたい。そうなると、振り幅ですよね。決めと真逆の面白さ。

――もっと先を見ているというか、普通を通り越している感じですね。

 皆が向かっている先にはたくさんいますから、自分はそっちはいいかなと。僕が向いている方向に誰もいないわけではないですけれどね。

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