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特集 (4)アントワネットは愛希でなければ…納得の役作り

2015年5月13日更新
写真:「1789」公演から、マリー・アントワネット役の愛希れいか=撮影・岸隆子 「1789」公演から、マリー・アントワネット役の愛希れいか=撮影・岸隆子

――市民たちが蜂起寸前にあることも知らず、ヴェルサイユ宮殿では今日も華やかな宴が開かれている。ぜいたくな暮らしやギャンブルに興じるマリー・アントワネット(愛希)は、錠前づくりに没頭する夫ルイ16世(美城れん)を見限って、スウェーデンの将校フェルゼン(暁千星)との恋に夢中だ。王位を狙う国王の弟アルトワ伯爵(美弥るりか)は、そんな王妃のスキャンダルを握るため手下の秘密警察を走らせた。王太子の養育係オランプ(早乙女/海乃)の手引きにより、アントワネットとフェルゼンはパレ・ロワイヤルで密会を果たすが、偶然居合わせたロナンが騒ぎを起こし、オランプが王妃を守るため秘密警察にうそをついたことで、ロナンはバスティーユ監獄に連れ去られてしまうのだった。

 王宮のシーンは目が覚めるような豪華さです。それもベルばらに出てくるようなクラシックなムードではなく、「不思議の国のアリス」を現代風にアレンジしたような世界。中央で歌うアントワネットのスカートが巨大なルーレット盤になっていて、それが取り払われるとポスターにも使われているゴージャスなドレスが現れます。水色地に濃いピンクのバラが刺(ししゅう)や立体でいくつも飾られ、その配色が斬新。宝塚のお姫様ドレスの美しさにはいつも驚かされますが、また新たな感動が生まれてしまいました。

 そしてそれをあでやかに着こなす愛希さん。今回、主役のロナンとからむシーンは全くないのですが、享楽から悲恋、絶望、悟りに至るまで、マリー・アントワネットの美しくも悲しい生涯を圧倒的存在感で見事に表現し、この役は愛希さんじゃなきゃ出来なかったのではと納得の役作りでした。特に、逃げ出すことなく王妃のつとめをまっとうしようと決意した姿には、ただ佇(たたず)んでいるだけで涙を誘われる迫力があり、さすがと言わざるを得ません。

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