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特集 (3)ドラマ出演、少し未熟な感じでできる仕事がうれしい

2015年5月26日更新
写真:大空祐飛=撮影・伊藤華織 大空祐飛=撮影・伊藤華織

――宝塚歌劇団を退団して以降、出演される作品に振り幅があって、毎回大空さんの新たな魅力を感じることができます。作品選びがとても絶妙で。出演を決める際にご自身ならではの基準があるのですか?

 特に自分の中に、選ぶときに何かがあるわけじゃないです。必要とされればもちろん、やりたいと思っています。ただ、私がそこに必要なパフォーマーかどうか、ということはいつも考えています。私がその作品に入ることが効果的なのかどうか。これは自分が決めることではないんですけれど。「私じゃなくてもいいんじゃないかしら」ということを、もし自分が感じたとしたら、「どうして私を選んでくれたのか」ということをお聞きするかもしれないです。でも今まで、いただくお話がとってもすてきな作品ばかりで、すごく恵まれていると感じています。

――また今年は初めてドラマ「紅白が生まれた日」にも出演されましたね。

 初めてなので、手も足も出なかったというか(笑)。感覚が分からなかったです。舞台とはもちろん全く違うって分かっていたけど。やっぱり分からなかった。「初めまして、初心者なのでよろしくお願いします」って感じで、まず、どこに向かって、どんなエネルギーで、どのスイッチでやるのか、自分のチューニングを合わせることから始めていました。私、うまくできることばかりやりたくないなと思っているんです、何事においても。あまり器用にこなせるようにはなりたくないんです。だから、ドラマ出演は戸惑うことが多かったけど、そういう場所にいけることはとっても幸せなことでした。もちろん、自分の立場からすれば、ある程度できないといけない責任もあると思うのですが、簡単に器用にこなせるようになってしまうと何かが損なわれていくような気がするから。少し未熟な感じでできる仕事場というのが、まだ自分にちゃんと残せているのはうれしいことでした。

――ドラマで、いちばん苦労されたのはどんなことでしたか?

 どこから撮られているかが分からなかったこと(笑)。撮られているのはわかりますけど、いつの自分が撮られているのか……。皆さんそんなこと意識していないのかもしれないですけど、どういう計算で演じるのが正しいのかしらって。

――トーク番組だったら、ある程度余裕をもって、カメラを意識できますけどね。演技しながらカメラまで意識するのは、想像するだけでも難しいと思います。

 そうなんです。トーク番組なら「あ、あそこで撮られてるな」と分かる。でも演技しながらそこを意識する神経は私にはなくて(笑)。むしろ、どんな時でも360°に目を持つという感覚、全体をとらえる感覚は舞台だったらできるのに、それが使えないわけです。でも、そのできない感じがよかったわけですけど。

――ドラマを経験して、新たに何かを得た感じはありましたか?

 経験としてチャレンジができたことであったり、映像の世界、映像を作っている人たちのモチベーションを見て、すごく魅力的な世界だなと思えたことが自分にとって収穫でしたね。

――今回のドラマのように、新たにチャレンジしてみたいことはありますか?

 いい本に出会って、よいお芝居ができたら至上の喜びですね。その中で自分を探求し続けていけたら。ジャンルにこだわらずに、自分を成長させてくれる作品や役に出会えるといいなと思います。それが自分にとって意外なものでも構いません。

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