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特集 (2)宝塚での「芝居の在り方」は間違っていなかった

2015年12月4日更新
写真:緒月遠麻=撮影・岩村美佳 緒月遠麻=撮影・岩村美佳

――じつは先日「希望のホシ」を拝見させていただいたんです。

 そうですか! ありがとうございます。

――男性の中に入っても全然負けていない感じでしたが……。

 いや、負けてられないですね(笑)、あの役は。

――終わってみていかがでしたか?

 本当に伸び伸びとできる演じやすい環境を石原プロの方々がつくってくださったので、退団してから一作目の舞台として、とてもいいスタートが切れたなと思います。

――一番得られたものは何ですか?

 宝塚でやってきた芝居の在り方は、正しかったんだなと思えたことです。

――そうなんですね!

 芝居の作り方とか、人とのコミュニケーションの在り方とか、意識して宝塚と変えなければいけないことが、なかったんです。ひとりの役者として、自分を変えずにバーンとぶつかっていくことができました。

――それは面白いですね。わりとそこで悩まれる方が多い印象があるのですが。

 もちろん、まったく悩まなかったということはないですけど、ポスター撮りのときに皆さんとお会いしたときに、「ああ、すごく芝居がやりやすそうな方たちだな」と安心して、そこでまず自分の心配事がひとつとれて、集合日に台本を読ませていただいてまたひとつとれて、そういう感じでお稽古を積み重ねていくうちに、心配事は全部とれて、結果としてすごくお芝居がやりやすかったです。そもそも石原プロで刑事物っていう時点で、テンションが上がっていたというのもありましたね。

――宝塚のOGの方にこうやってお話をうかがうと、男役を極められた方ほど、辞められてからいろいろ考えたり、リハビリ期間が必要だったりする方が多い印象がありますが、緒月さんはいかがでしたか?

 もちろん「オフでスカートをはく」とか、そういうリハビリはすごく必要でしたが、役を演じるときのリハビリはあまり必要なかったですね。宝塚時代に「風と共に去りぬ」(2013年)のベル・ワットリングをやったときも、お稽古着でスカートやレオタードをはくことには違和感があっても、役作りの根本は変わらないなと思ったんです。性別が変わっても演じるのは私だし、そういう部分は柔軟にいけるタイプみたいです。

――これからも役者さんとしてやってくことは、すんなりと決められたのですか?

 はい。あまり固く考えないので……考えろっていう話ですが(笑)。

――では、今年の冬にご卒業されてから今までというのは、緒月さんにとってはどんな時間でしたか?

 「まだ1年経ってないの?」という感じですね。朗読劇から始まって、ディナーショーが2回あって、「希望のホシ」があって、そして今回と、すべてが濃すぎて充実していたので、「私の宝塚卒業って、本当に今年だったのかな?」という感じがするんです。

――そうすると、イメージとしては「宝塚」という時代は終わったけれど、役者さんとしての濃い日々はずーっと続いている感じ?

 そうですね。でも、宝塚時代は本当にありがたいことに、ひとつの公演が終わったら次の公演のお稽古という日々を送っていましたから、今のほうが気持ちのゆとりはできました。宝塚時代も今も、同期とはよく遊んでいますが、リフレッシュの度合いが違うといいますか……それに宝塚時代はやっぱり街を歩いていても「宝塚の人だな」という目線を感じたりして、あまりワーッとはしゃげない部分もありましたが、今は少しずつ自由にさせてもらってます。

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