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特集 (5)似ているのはヤン・ウェンリー、競争がダメ

2015年12月4日更新
写真:緒月遠麻=撮影・岩村美佳 緒月遠麻=撮影・岩村美佳

――では、男役というものが脱げたところで、やってみたい役は、ありますか?

 「この人にこの役をやってもらいたい」というのを、受けてみたいです。「これは無理です、あれは無理です」とは、意外と自分では言わない気がするので。いろんな役をやってみたいですね。

――宝塚時代も、普通の人だとありえないような面白い役も多かったじゃないですか。「風の錦絵」(09年雪組)の巨大な小僧さんとか。

 はいはいはい、ありましたねー。面白いのは全部石田(昌也)先生ですね。ハリセンもそうですし。

――あ、そうですね。

 小僧さんも石田先生でしたし。石田先生はいつも何かをさせようとしてくださる方で、育てていただいた部分が多かったです。

――狙っていくというよりは、「いるだけで面白い」という役が多かったですよね。

 狙ったことは一回もないですね。とりあえず一生懸命やってるんですよ。真剣に、その役として。

――「それがどうして面白いんですか?」ということをお聞きしたかったんです。

 役を面白く作っているわけではなくて、もともとよく笑われるんですよね。子どもの頃からなぜか。

――そのなぜかについて、自分で思い当たるフシは?

 同期からもなぜか「しゃべっているだけで、やっぱり面白いよね」と言われて、「何なの? それは」と聞いたりもするんですけど、「そこがわかんないんだよね」と言われるんですよ。だから、何が面白いかはよくわからないのですが、そういう部分と「役者」がミックスして、化学変化が起こっているのかな。

――さきほど「自分に近い役が一番難しい」とおっしゃっていましたが、今まで演じられた役のなかで、自分に近いなと思う役は、どれですか?

 ヤン・ウェンリーです!(「銀河英雄伝説」12年宙組)

――そうですか! どういうところが近いですか?

 戦いは苦手、平和でいいじゃん……というところです。意外と平和主義で、争いというか競争がダメなんですよね。宝塚にいたのに何を言っているんだという話ですけど、自分の中では競争していたつもりはなくて、戦っていたのは自分とで、いつも自分がライバルでした。ヤンも戦いは嫌いで、ひとり後ろからみんなを見ているようなところが自分に似ていると思います。

――だから、競争社会の宝塚でも健全にやってこられたのでしょうか。

 もちろん人に恵まれていたのも大きいです。だから、焦りもしないし、宝塚生活15年を自分のペースで伸び伸びさせてもらっていましたね。とりあえず自分に必死でした。

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