マイコンテンツ

ここから本文エリア

特集 (4)幸四郎さんを頂点にピラミッド、居心地が良かった

2016年5月20日更新
写真:霧矢大夢=撮影・Y.OZAKI 霧矢大夢=撮影・Y.OZAKI

――今まで演じてこられた役のお話を聞かせていただきたいのですが、個人的にとても印象に残っているのは「ラ・マンチャの男」のアルドンザ役です。

 長年上演され続けている作品で、しかも松本幸四郎さんは初演からずっと演じられていらっしゃって。アンサンブルの方も何十年と出演されて、いろんな役を演じてこられた方々で、その方々にとって役者人生そのものなんですよね。

 それまで恥ずかしながら見たことがなかったんです。名作過ぎて敷居が高かったんです、勝手なイメージなんですけど。そんな作品に参加させていただいて大きなプレッシャーはあったけれど、あの作品に携われて本当に幸せでした。みなさん役者人生をかけていらして、他にもいろんな舞台を経験される中、出演者の方々のいろんな人生が詰め込まれているんだなと感じました。だから、同じような気持ちで挑まないと、自分が恥ずかしいと思ったんですよね。だからとにかく体当たりでした。皆さんに、幸四郎さんについていって、気づいたら終わっていました。

――まさに体当たりされていました。

 もちろん、どの舞台も体当たりでやっていますが、あの舞台は心の底からやらないと、ウソがばれるというか……。やはり作品の歴史と役者のプライド、そしてみなさんの「ラ・マンチャ愛」、それがすごいんです。そして幸四郎さんに対する尊敬の念、畏敬(いけい)の念がすごくて。幸四郎さんを頂点にピラミッドになっていたんですね、出演者やスタッフが。宝塚もピラミッドだったから、それがすごく居心地が良かったんですよね、やっぱり。とても恵まれた経験でした。

戻る 続きを読む