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特集 (6)男役をやってきたからこそ出せるパッションを

2016年6月10日更新
写真:緒月遠麻=撮影・伊藤華織 緒月遠麻=撮影・伊藤華織

――湖月さんと水さんは、退団後さまざまな作品にバランス良く出演されているイメージがありますが、例えば芝居だけをやるとか、ダンスを極めるというのではなく、宝塚で培ったものをベースにいろいろやっていきたいと思われていらっしゃいますか?

水:去年の暮れにダンス公演に出演させて頂いて、ダンサーの方たちと一緒に過ごしていたのですが、自分はダンサーではないし、歌手でもなく、「芝居一本でやってきた役者です」とも言えない。けれど、どこにも属さないことが不安定でありながらも、そこが元宝塚であることの良さだとプラスに受け止めて、どれもバランス良くできるようになっていることに、自分の立ち位置を見いだしていきたいと思いました。そういう思いがこの一年ほどで、自分のなかでまとまったんです。踊りはずっと続けるわけにもいかないですしね。

湖月:自分がやりたいからってできる世界ではないですよね。私をその作品に選んでくださったことを信じて、頂いた役、歌、ダンスに毎回課題を与えて、クリアできるようレッスンと稽古を重ね続けた結果、様々な作品に出会うことができたのかなと思います。在団中から、「たとえ希望とは違う結果になったとしても、努力は自分を裏切らない」と信じて、いつどんな役を与えられてもこたえられるよう、レッスンをしていますが、進化し続ける自分でありたいと思っています。ダンサーさんのなかに入ると本当にすごいよね!

水:本当に!

湖月:8小節で「技」をやってと言われてもできないよね!

水:そうなんです!

湖月:そういう意味での「技」は持っていないかもしれないけど、今まで得てきたことを生かして、全力でぶつかっていこうと思います。

緒月:私は、その世界に飛び込んで行くということですね。

――最後に、楽しみにされているお客様へメッセージを頂けますでしょうか。

湖月:スペインの著名な舞踏団の中からさらにえりすぐられた新バッドガールズ、バッドボーイズと、大貫さん、バッドガールズの原田さんと私たちが、フラメンコをベースに、激しく、ドラマチックに演じ、踊ります! もちろんバッドガールズ、バッドボーイズならではの、格好よく、クールで、情熱的なダンスシーンもあります。男役をやってきたからこそ出せるパッションや目ジカラも生かせるよね!

全員:(笑)。

湖月:長身で鍛え上げられたすてきなスペインダンサーと、私たちのコラボレーションは、思いもよらない化学反応を起こすと信じています。ホセさん新演出・振り付けの斬新なフラメンコの世界を見て頂けたらいいなと思います。

水:今からこの大きな壁に!!

湖月:自らぶつかりにね(笑)。

緒月:本当ですね!

水:その成果をぜひ見届けてほしいです。

湖月:1カ月ってあっという間だけれど、レッスンと稽古で濃密な時を過ごせそう。

水:1カ月海外にいくことってなかなかないですよね。

湖月:本当にフラメンコだけに没頭できるので。

水:家の片付けとかしなくていいんですよ!

緒月:ありがたいです。

湖月:フラメンコに染まった私たちを見て頂きたいですね。

緒月:こんな期間で人間がここまで成長できるんだと……本番の舞台を見てほしいです。

湖月:絶対に追いていかないから大丈夫だよ。

緒月:私もしっかり付いて行きます。

湖月:みんなで力をあわせて頑張りましょう!

水・緒月:はい!

〈インタビューを終えて〉
 前回のタンゴ公演の稽古場が強烈で忘れられない。ケガをする現場にも遭遇し、身を削って戦う姿は壮絶だった。宝塚で一度極めた方たちが、さらに上を目指し、悪戦苦闘する姿に、ただただ感嘆した。尽きぬその力はどこから湧いてくるのだろうか。あの稽古を経て見た舞台は、本当に素晴らしい公演だった。あの記憶が鮮明に残るからこそ、フラメンコへの期待もいや応なしに高まっている。1カ月の滞在で身にまとうであろうマドリードの風を、初夏の日本で大いに吹き荒らしてほしい。

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◆DANCE LEGEND vol.3 BAD GIRLS meets FLAMENCO BOYS
「FLAMENCO CAFE DEL GATO」
《大阪公演》2016年6月25日(土)~26日(日) サンケイホールブリーゼ
《東京公演》2016年6月29日(水)~7月4日(月) 東京芸術劇場プレイハウス
⇒内容については公式ホームページなどでご確認下さい。
http://www.umegei.com/BGBB2016/

《筆者プロフィール》岩村美佳 フリーランスのフォトグラファー、ライター。舞台関係、ファッションなどを中心に撮影してきた経験をいかし、ライターとしても活動している。「目に浮かぶ言葉」を伝えていきたい。