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特集 【トピックス】ミュージカル「フランケンシュタイン」制作発表会見
メインキャストが1人2役を演じる、韓国発ミュージカル

2016年8月30日更新
写真:「フランケンシュタイン」制作発表会見から=中村茉央撮影 「フランケンシュタイン」制作発表会見から=中村茉央撮影

 2017年1月、ミュージカル「フランケンシュタイン」が日生劇場で上演される。韓国でロングランヒットしたグランドミュージカルで、メインキャストが1人2役を演じるということでも話題に。日本版の潤色・演出は板垣恭一があたり、メインキャストには中川晃教と柿澤勇人(Wキャスト)、加藤和樹と小西遼生(Wキャスト)、そして音月桂、鈴木壮麻、相島一之、濱田めぐみと個性ある実力派がそろう。以上の9人が登壇し制作発表が行われた。(ウエストプラン・真名子陽子)

 まずは、板垣とキャストのあいさつから。

板垣(潤色・演出)

 新解釈のフランケンシュタインと位置付けています。元々は小説としてかなり前に書かれた古典です。あえて言っておきますと、フランケンシュタインは怪物をつくった博士のことで、怪物ではありません。小説では、怪物は博士が作った人造人間ですが、本作では、友達の体を使って怪物を作った、という新しい話になっています。フランケンシュタインと怪物は、創造した人と作られたもので、神と人間、父と子と例えられますが、そこに人間対人間が入ってくるのが新しい解釈で、そこがおもしろくもあり、演出に非常に苦労するかもしれないなと思っています。潤色のポイントもそこだと思っています。人間が人間を改造して違うものをつくってしまう……元々優しい心を持っていた人間が違うものになってしまうという悲劇の部分を、お客様にきれいに腑(ふ)に落ちていただくために、今書き直しています。ざっくりというと愛と憎しみの物語であり、そこに友情というスパイスがかかっていると思っていただければと思います。

中川(ビクター・フランケンシュタイン/ジャック)

 15周年のコンサートで一足先に1曲だけ歌わせていただきました。公演が始まる前に歌わせていただき、とてもしあわせな時間でした。本当に壮大な音楽で、物語もとても知的な物語だなと思っています。同じアジアである韓国で作られたということも魅力的に感じています。それを日本で、日本人のオリジナルキャストで作るということを楽しみにしています。

柿澤(ビクター・フランケンシュタイン/ジャック)

 尊敬する先輩方と一緒にこの場にいるだけで、恐怖におののいています(笑)。実は中川さんの大ファンで、劇団時代に毎日のように中川さんの歌を聞いて「なんて歌のうまい人なんだろう」「こんなに歌を自在に操れるんだったら人生楽しいんだろうな」と思っていて、憧れの存在でした。その中川さんと今日披露する歌の歌稽古でお会いした時、とても緊張しまして、ほとんど記憶がないほどです。この日を迎えることができてとても興奮していますし、このメンバーで稽古ができることをとてもわくわくしています。前回の公演で右足を負傷しまして、大千穐楽まで役をまっとうすることができず、つらく悔しい経験をしました。たくさんの方に迷惑をかけたし、たくさんの方に支えられて歩くことができるまで回復しております。皆さまに元気な姿で恩返しできるようにがんばります。

加藤(アンリ・デュプレ/怪物)

 この話を頂いてから韓国へ見に行きました。言葉はわからないけれど、なんとも言えない気持ちの高ぶりと自然と涙を流す自分がそこにいました。愛と憎しみ、そこに友情があります。ビクターとの関係性は男が見てもほれるという、それは初めての感覚でした。それを自分が舞台上で感じられるんだと思うとすごく気持ちが高ぶっています。このメンバーでしかできない「フランケンシュタイン」を作り上げたいと思います。

小西(アンリ・デュプレ/怪物)

 僕も韓国へ行って作品を見てきました。この作品は命を扱います。気持ちをちゃんと強く持って、命をちゃんと大切に扱うという思いがあったら、当たり前のように強くいないといけないんだなと思いました。音楽はとてつもなく壮大で、そこにのっかっている人の声がとても力強い作品です。演じる二役のふり幅が正反対のエネルギー、陰と陽といいますか、でも核は一緒だと思います。ふり幅が大きく、難しく、でもとてもやりがいのある役になっていますので、命を尊び大切にしながら、このメンバーで大切に作品を紡いでいきたいなと思っています。

音月(ジュリア/カトリーヌ)

 小西さん以外、初めてご一緒させていただくのですごく緊張していたのですが、今日お会いしてホッとしている自分がいて、そして心強い皆さまの中に入れることを幸せだなと実感しています。私も韓国へ見に行きました。役者の熱意が心の底まで響いてきて、この感動を日本の皆さまへお届けできると思うと、わくわくどきどきしています。皆さまに熱い熱い感動をお届けできるように、気合十分でお稽古を楽しみに臨みたいと思います。

鈴木(ルンゲ/イゴール)

 韓国へ行かれた皆さんの情報を稽古場で聞きながら、役をつくっていきたいです。素晴らしい楽曲と美しい世界観で彩られた、この「フランケンシュタイン」日本初演に参加させて頂けることをとてもわくわくしています。1幕と2幕で役が違うということで、休憩時間の楽屋はどうなるんだろうと思いながら……(笑)。日本中をわくわくさせるミステリアスで美しい「フランケンシュタイン」をどうぞ楽しみにしていてください。

相島(ステファン/フェルナンド)

 30年くらい芝居をしていますが、今とても緊張しています。初めてづくしだからです。共演者も初対面、板垣さんも初めて。いつもはコメディーミュージカルですが、今回はカッコよくてクールでとても美しいミュージカル、そんな中に混ぜていただくのも初めてでございます。そして日生劇場も初めてでございます。このような衣装で制作発表するのも初めてです。なので、とても緊張していますが、その緊張がとても楽しみです。こちらの皆さんの中でどんなことができるのか、どうやって彩りを加え参加することができるのか、とても楽しみにしています。

濱田(エレン/エヴァ)

 ビクターの姉の役ですが、ビクターの幼少期からを、歌で紡いでいくというシーンがあります。その中で大切なことは友情、愛情、そして彼が触れてはいけない神の領域に触れたところから精神がくずれていく、世界観がくずれていく、そのさまを客観的に見守り、そしてどのように彼に接していくかということだと思っています。エレンがただのお姉さんではなく、1幕では聖母のようにあったかい存在でありながら、2幕では正反対の冷酷で悪魔のような、その極端な部分を行き来できるように、稽古に励みたいと思います。きっと楽しいお稽古場になると思いますし、素晴らしい初日を迎えられると信じています。

 記者との質疑応答へ(抜粋)

記者:板垣さんへ、2役をするキャストへのアドバイスと、お稽古まで準備して欲しいことを、キャストの皆さんには、お稽古までに準備しておきたいことを聞かせてください。

板垣:それぞれの解釈にもよるんですが、僕自身が今おもしろいと感じているのは、演じる2役の根っこが同じ人だとおもしろいかなと思っています。1幕と2幕で正反対の性格を持つ方もいますが、これが一つの人格から割り出てきていたらどうだろうと。皆さんもそうだと思うんですけど、ご機嫌のいい時と悪い時、慈悲深い時と攻撃的な時と両方あると思うんですね。それを日々状況によって、それぞれの人格がでてきて日々暮らしていると思うんです。それを演劇として、2役として取り上げます。1人の人格の中に光の部分と影の部分があると考えると作られるのかもしれない、と言ったことを考えています。それを踏まえて役者の方へは、自分と向き合うお風呂タイムみたいなことを増やしてもらって(笑)。絶対に1人の人間の中に悪魔と天使がいると思っています。そういうことを駆使して二つの人格を楽しんでいただけたらと思います。

中川:いろんなクリエーターの方やスタッフの方が携わっている中、限られた短い稽古期間の中で、韓国が生み出したこの作品の情熱を絶やすことなく、それ以上のものにどう仕上げていくのか、どうすれば作品の濃さをお客さまに伝えることができるだろうかと考えた時、自分の意図ではなくこのキャストに出会ったという、このタイミングを大切にしていけたらといいのではと思っています。限られた時間の中で最高の作品にしていくヒントがそこにあると実感しています。二面性を持っているというのは僕たちにもあって、オンとオフ、舞台上と舞台裏、第一線で活躍している方なので、きっといろんな面をお持ちだと思うんです。そういうところも楽しみながら、作品を生み出すカンパニーの力を信じ、一致団結して調和しながらこの作品をつくっていけたらと思っています。

柿澤:人間っていろんな感情を持っていますし、喜怒哀楽があり複雑な感情が入り組んでいて、それを出したり抑えたりしています。そんないろんな感情を稽古場で出しまくって、2役なので苛酷(かこく)になりそうですが、楽しんでやろうと思います。

加藤:舞台に立っている時に、自分なのか役なのかわからなく瞬間が最近多いんですね。板垣さんがおっしゃる自分と向き合うということは、奥底にある感情を引き出すことになると思います。役という皮を被るのではなく、演じるのは自分自身ですので、自分を押し込めずにやっていきたいと思っています。アッキーさんも言ったとおり、カンパニーの雰囲気って舞台にすごく出るんですよね。一丸となって、心で通じあえればいいなと思っています。このメンバーでしか作れないということを大切にして、あとは……歌、がんばります!

小西:誰もが知っているタイトルですし、いろんな情報があると思います。稽古に入ればメンバーへのリスペクトはあがりますし、自分の責任で自分の役をやるということ以外では、本を大切に、演出家を大切に(笑)、そして、お客様を大切にと明確ですので、稽古に入る前にできるかぎりの準備をしたいと思います。

音月:お稽古に入る前にきっちりと女性に戻りたいですね。ドレスのペチコートを用意して、想像しながらしぐさなどを練習したいと思います。万全の状態で稽古に臨みたいですし、稽古に入ったら皆さんからたくさんの刺激をいただけると思いますので、その化学反応を信じて、自分の本能とともにがんばりたいと思います。

鈴木:このメンバーを見ると、演技が赤裸々な方がそろっているなと感じています。ゴテゴテと役を張り付けていくのではなく、どんどんそぎ落としていって、素っ裸な自分を舞台に放り出して、相手役とバトルしていくカンパニーのような気がします。自分もこのメンバーの中に素っ裸で飛び込んで稽古に臨み、取り繕うことなく失敗もして、うまくいけばみんなで喜びたいと思います。

相島:準備は、体のメンテナンスでしょうね。歌とダンスもがんばらないといけません。このステキなメンバーの足を引っ張ってはいけませんので、がんばっていこうと思います。2役に関しては、衣装が助けてくれると思っています。二つの衣装を撮影の時に着ましたが、それだけで役になれてしまう。美術の持っている力は素晴らしいなと思います。そして、創造力や感受性の豊かな方が役者になっていると思います。その相乗効果が稽古場や舞台で出るのが楽しみです。

濱田:皆さんの話を聞いていて、感受性が開いていて、いろんなことに興味津々で好奇心が旺盛なので、なにかをやろうとしなくても、勝手に情報がそれぞれの役者のところにふってくるのではと思います。後は稽古までにどれだけキャッチできるかだと思います。そういう能力にたけている人がそろっているなと思いました。自分の役の準備としては、一般の普通の家に天才が生まれてしまったことの喜びと悲しみの両極端の気持ち、そこで生まれくる葛藤や心の揺れを想像し、天才が生まれた嫉妬や誇りといった、心の機微の下準備ができたらいいなと思います。

★役紹介★

〈中川、柿澤演じる〉
ビクター・フランケンシュタイン=生命創造の研究に没頭する若き天才科学者
ジャック=人間同士を格闘させるギャンブル闘技場を営む悪党

〈加藤、小西演じる〉
アンリ・デュプレ=非業の最期を遂げるビクターの親友
怪物=ビクターによって生み出された名もなき創造物

〈音月演じる〉
ジュリア=ビクターを思い続ける婚約者
カトリーヌ=怪物にほのかな思いを寄せる闘技場の下女

〈鈴木演じる〉
ルンゲ=ビクターの理解者である執事
イゴール=ピエロのようなド派手ないでたちの闘技場の召使

〈相島演じる〉
ステファン=ジュリアの厳格な父
フェルナンド=ギャンブル闘技場に出入りする守銭奴

〈濱田演じる〉
エレン=ビクターを見守り続ける姉
エヴァ=夫のジャックを尻にしき怪物を手なずける闘技場の女主人

 この日、Wキャストの中川と柿澤による楽曲披露も行われた。「偉大なる生命創造の歴史が始まる」という曲名からも想像できるように、壮大でかつ緊張感を漂わせ、そしてわくわくさせてくれる歌唱だった。公演では2人そろっての歌声を聞くことができない。ぜひ、公式ホームページで公開されている歌声を聞いてほしい。創造力がかき立てられ、それぞれのフランケンシュタインが楽しみになるのではないかと思うし、そこに絡んでくる役たちにも期待せずにはいられない。キャストと同じようにわくわくどきどきしながら、新春を心待ちにしたい。

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◆ミュージカル「フランケンシュタイン」
《東京公演》2017年1月8日(日)~29日(日) 日生劇場
《大阪公演》2017年2月2日(木)~5日(日) 梅田芸術劇場メインホール
《福岡公演》2017年2月10日(金)~12日(日) キャナルシティ劇場
《愛知公演》2017年2月17日(金)~18日(土) 愛知県芸術劇場大ホール
⇒内容については公式ホームページなどでご確認下さい。
http://www.tohostage.com/frankenstein/index.html

《筆者プロフィール》真名子陽子 (株)ウエストプランで「スターファイル」の企画・編集を行っている。舞台のおもしろさは「フィクションをノンフィクションで見ること」。ひとりでも多くの人に舞台を見てもらえるように、心を動かしてもらえるように、情報を発信していきたい。

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