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――皆さんの役を簡単にご紹介していただけますか? 現時点ではそれぞれの役をどんな風にとらえていらっしゃるのでしょう。
一路:この作品では、ホテルの扉を開けるとタイムスリップするんですよ。でも、過去にしか行けないので、一番先の時代を生きている壮さん(フィービー)は、私(ルエラ)の年代と、さらに過去のまひるちゃん(ジェシカ)の時代と、どこにでも行ける。私は真ん中の世代なので、それより前のまひるちゃんの時代にだけ行けるんです。
紺野:私はタイムスリップではどこにも行けないのですが、現代にも年を重ねて登場します。
一路:いろんな時代が入り組んでいる中で、私は真ん中のところにいて両方の時代を取り仕切りっているような感じですね。
――しっかり者なんですね。
一路:はい。妻殺しの過去を持つ実業家(吉原)の2番目の妻なんです。1番目の妻がまひるちゃん。その実業家が年老いたとき、過去を清算しようとして協力を求められた第三者が壮さん。冷静に考えると、壮さんはどうして巻き込まれているのって感じですよね。
壮:このチームから一番外れた人間です。
一路:それなのに巻き込まれてしまうっていう発想が面白いよね。
――紺野さんの役はどんな性格だととらえていらっしゃいますか?
紺野:私は新婚初夜から出番が始まるので、チャキチャキした感じでということを演出の板垣(恭一)さんからはうかがいました。
――それが年代を経てきっと変わっていくわけですね。私も現時点での台本を拝見して、それぞれぴったりな役柄のように感じました。演じていらっしゃる姿がすでに想像できるぐらい。
紺野:(一路を見て)やっぱり。
壮:(一路を見て)しっかりしてらっしゃるから。そのまんまですね。
一路:(笑)
――でも、壮さんのお役は、一見びっくりですね。
壮:はい。刺激的な役です……。
紺野:公演案内にはやんわり「娼婦」って書かれてますけれど、「SM女王」ですから。
壮:ロンドンで上演されたときの映像を見たんですが、その衣装を見てびっくりしました。レザーの超ミニかホットパンツか、みたいな感じなんですよね。
一路:でも、どっちも似合うね。
壮:いやいや。靴もピンヒールかブーツなんです。
――この役をやって欲しいとお話があったときは、いかがでしたか?
壮:「大丈夫かしら?」と思いました。宝塚時代から「色気がない」と言われていたので。
一路:あら、そうなの?
壮:はい。本来の性格が武士っぽいので。
一路:(笑)
壮:まっすぐなんです。
一路:でも、役もまっすぐじゃない?
紺野:私もそう思います。役もすごくまっすぐだと思う。
――ご職業はともかくとして、性格的にはどんな女性なのでしょう?
壮:普通の女の子じゃないかと思いますね。たぶん、芯の強さからいうと一路さんの役が一番だと思います。
――紺野さんはご自分の役についていかがですか?
紺野:二つの異なった年齢をうまく演じ分けつつ、皆さんに振り回されたいと思います(笑)。
――紺野さんはテレビドラマのご経験もたくさんおありですが、久しぶりの舞台はいかがですか?
紺野:宝塚を辞めて14年経つのですが、今回5本目の舞台で、前回の舞台からは約7年空いているので、かなり緊張しています。でも、このメンバーでできるということで楽しみな面も多いです。だから、しっかりと練習して本番に挑みたいと思います。
壮:100本ノックでね(笑)。