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特集 【インタビュー】こまつ座「木の上の軍隊」出演
松下洸平、ガジュマルから感じた「希望」を伝えたい

2016年10月21日更新

 こまつ座「木の上の軍隊」に出演する松下洸平に話を聞いた。2013年に初演された「木の上の軍隊」は、戦時下の南の島でガジュマルの木に登って身を隠し、敗戦に気づかないまま2年間を過ごした2人の兵士の物語である。井上ひさしの原案を蓬莱竜太が完成させ、演出を栗山民也が手がける。今回は、本土出身の「上官」役を初演に続いて山西惇が演じ、島出身の「新兵」役に松下洸平が挑む。(演劇ジャーナリスト・中本千晶)

 稽古に先立って、実際のガジュマルの木がある沖縄の伊江島を訪れたという松下。当初は「1人でふら~っと行く」つもりだったが、島の人々の歓待を受け、島に残る戦争の傷痕を訪ね、「新兵」のモデルとなった佐次田秀順さんの息子さんからも話を聞くことができた。貴重な体験の数々が、これからの役作りの糧となりそうだ。

 ガジュマルの木に登ったときには、「2人の兵士の命を救ったエネルギーが、僕の心にも届いてきたような気がした」という。重いテーマを扱い、悲惨な2年間を描いた作品だが、その中にもなお、この木から感じた少しの希望も伝わるように演じたいと今は考えている。

 初演を見て「カーテンコールが終わってもしばらく席から立てないぐらい」大きな衝撃を受けたという。こまつ座のチラシにはいつも作品や出演者を描いた絵が載っているが、その絵の中に自分が登場する(つまり、役の自分が描かれること)という夢も今回かなってしまった。そうした「役者なら一度は」というたわいない夢がじつはたくさんあるという松下、インタビューではその一部もちゃめっ気たっぷりに披露してくれた。

 インタビューはさらに、芝居、歌、絵と多方面で才能を発揮する松下のさまざまな思いにも話が及んだ。本人としては「切り替えはなかなか難しい」という悩みもあるが、自分にとっては「どれも必要なもの」でもある。だが、自分にとっての音楽の存在価値はうまく説明できるのに、芝居の方はまだまだ模索中といった様子だった。

 それでも演じる自分に対して「自分にはこれしかない」と確信できる。それは、「自分が今ここに生きているという証しを残したい」という表現者・松下洸平の根源的な思いにも由来しているようだ。そんな魂の叫びは、今回の「新兵」という役にどんな風につながっていくのか? はたまた伊江島での貴重な体験から得られたものは役の中にどのように織り込まれていくのか? 興味の尽きない舞台になりそうだ。

※有料ページでは、インタビューの様子をさらに詳しくお伝えします。ぜひご覧下さい。

〈松下洸平さんプロフィル〉
 画家である母の元、幼少時より油絵を始める。中学に入り、ダンスを始め、その後美術系の高校に入学。映画「天使にラブソングを2」に感動し、「歌手になる!」と音楽の専門学校へ。2008年より、自作曲に合わせて絵を描きながら歌を歌うパフォーマンスを開始。同年11月5日、「STAND UP!」でCDデビュー。09年からTV・舞台と、活動の幅を更に広げる。最近の舞台出演作品は、「ラディアント・ベイビー ~キース・ヘリングの生涯」、「アドルフに告ぐ」、「スリル・ミー」など。

(松下洸平オフィシャルサイト:https://www.kouheiweb.com/

続き(有料部分)を読む

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◆こまつ座 第115回公演「木の上の軍隊」
《東京公演》2016年11月10日(木)~27日(日) 紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
⇒内容については公式ホームページなどでご確認下さい。
http://www.komatsuza.co.jp/

★「木の上の軍隊」スペシャルイベント
〈伊江島写真プレゼント〉11月12日(土)14:00・18:30公演へご来場の方
〈アフタートークショー・蓬莱竜太〉11月14日(月)14:00公演後
〈アフタートークショー・宮沢和史〉11月18日(金)14:00公演後
〈アフタートークショー・山西惇、松下洸平、普天間かおり〉11月19日(土)18:30公演後
〈ガジュマルの葉プレゼント〉11月23日(水・祝)14:00・18:30公演ヘご来場の方
〈アフタートークショー・井上麻矢、普天間かおり〉11月26日(土)18:30公演後
※詳細は公式ホームページでご確認ください。
http://www.komatsuza.co.jp/

《筆者プロフィール》中本千晶 フリージャーナリスト。宝塚歌劇に深い関心を寄せ、独自の視点で鋭く分析し続けている。主な著作に『宝塚読本』(文春文庫)、『なぜ宝塚歌劇に客は押し寄せるのか』(小学館新書)、『タカラヅカ流世界史』『タカラヅカ流日本史』『宝塚歌劇は「愛」をどう描いてきたか』(東京堂出版)など。2016年10月に『宝塚歌劇に誘う7つの扉』(東京堂出版)を出版。NHK文化センター講師、早稲田大学非常勤講師。