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特集 (2)お披露目にふさわしい新曲「アーサー王讃歌(さんか)」

2016年10月31日更新

 では、もともとのフランス版とタカラヅカ版ではどこが違うのか? まず、「1789」のときもそうだったが、フランス版に比べると物語がかなり細かに書き込まれているようだ。フランスでミュージカルを初演するときは、まず楽曲のCDを発売、大々的に宣伝し周知してから舞台が開幕するというのがパターンとなっている。したがって、舞台の幕が開いた頃には観客はすでに楽曲になじんでおり、お芝居というよりは「ストーリー仕立てのショー」という雰囲気で盛り上がる。

 これを日本のお客さまにとってもわかりやすく楽しめるものにするためには、加筆が必要というわけだ。今回、潤色を担当した石田昌也氏お得意のコミカルな味付けも随所に見られた。登場人物もタカラヅカの事情に合わせて増やしてある。1人だけ現代風な少女神アリアンロッド(紫乃小雪)はタカラヅカ版のオリジナルキャラクターだ。

 もう一つ、新曲「アーサー王讃歌」が追加されたことも、タカラヅカ版の大きな特色だ。センターに立つ珠城を中心にこの曲を大合唱する場面の迫力はタカラヅカならでは。新トップお披露目公演にふさわしい一場となった。

 結末も、フランス版では去っていくグィネヴィアと騎士ランスロットをアーサーがひとり見送るシーンで終わるようだが、タカラヅカ版は王として2人を「許す」決断をし、そんなアーサーに対し全員が忠誠を誓ったところで幕となる。アーサー、グィネヴィア、ランスロットの恋愛劇の色彩が強いフランス版に比べて、タカラヅカ版は新トップお披露目公演らしく「王としての成長物語」を色濃く描く心憎い潤色だ。

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