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特集 (2)私たちの体を通して、見ている方に届くように

2016年11月11日更新
写真:剣幸=岸隆子撮影 剣幸=岸隆子撮影

――出演が決まって、台本を読まれたときの最初の感想はどうでしたか。

 う~ん……一回ではなかなか理解できなくて……(笑) どういうことだろう、これは?と思いながら読みました。自分1人で読んでいてもわからないことってあるんですね。初めて読みあわせをした時に、皆さんは何度かそれぞれの役をされていますから、その皆さんから「あっ、なるほど、こういうことか」と、受け取るものがいっぱいありました。

――皆さんからの表現などからですか。

 そうです。夢の世界だったり、神様の話だったり、我々にはあまりなじみのない宗教の話だったりをどうつなげたらいいんだろうと思っていたんです。そんな中、他の皆さんが演じてくださるとその波動が伝わってきました。字面だけではわからなかったことが息づいてきたのです。

――よかったです! 私も読んだ時にわからなかったんです(笑)

 読むだけでは、なかなかわからないですね(笑)。線が立体になる感じですね。

――「禁じられた恋」の壮大な四部作とチラシにありますが、それだけでなく、地球規模の大きなお話だなと思いました。

 そうですね。壮大だからこそ繊細に演じなければいけないと思います。私たちの体を通して、生きた人間として見ている方にちゃんと届くようになればいいなと。それが歴史の大きなうねりに見え、壮大なドラマになるのではと思います。

――なるほど。読んでいて理解することを放棄したのですが、でも、反対にこの作品が朗読となり、またお芝居となって、どう伝えてくださるのだろうと楽しみにもなりました。

 オラトリオ〈朗読〉の部分ではセリフだけをしっかり聞いていただき、芝居になったところでは動きまわっているので、声や体の感情が違うと思います。どちらも楽しんでいただけるように、精魂こめて演じます。

――剣さんのキャリアをもってしても、悩まれましたか。

 キャリアなんて関係ないです。どの作品をやるときも、一から創る、という気持ちです。

――今の時代にとても必要なことが、この作品にあるような気がします。

 そうですね。素っ裸の情熱のようなものがありますよね。今の時代はSNSやLINEなどすぐ簡単にまわりとつながることができるけれど、このお話の中では10年も届かない手紙があって、それが大きな意味を持ちます。隔絶された中で鬱積(うっせき)された情熱がものすごくあって、それはとても人間ぽいことだと感じます。今はそういう熱い人間として生きることが恥ずかしいという風潮があるように思います。

――軽んじられているような……。

 登場人物たちは、最も人間らしい生き方をした人たちという気もします。プルエーズも結婚してるけれど、他の人を好きになってしまう。でもマリア様に、それを止めてと靴を差し出すんです。それって我々と一緒で神頼みなんですよね。そういったところが、とても人間っぽいなと思うんです。

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