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特集 (2)ふたりの女性の生き方が際立つ

2016年11月14日更新
写真:「ミス・サイゴン」公演から=東宝演劇部提供 「ミス・サイゴン」公演から=東宝演劇部提供

 1992年から何度も上演されている大作ミュージカルという作品ながら、私は2014年に初めて観劇し、今回が2度目となる。特に避けてきたわけではないが、「上演し続けているからいつか見よう」とのんびりと構えていた。今さら、あのキャストで見ておけば良かったと後悔するのだが……。

 初めて観劇したとき、キムのラストが悲しすぎて、泣き疲れてしまった記憶がある。でも今回、違う感想を抱いた。キムが生き残った場合を考えると、愛するクリスが自分の名をさけびつづけるその腕のなかで息絶えていくのは、むしろ幸せだったかもしれないと思った。その向こうでタムを抱きしめるエレンとの対比が印象的だ。エレンはこの悲劇を受け止め、クリスを支えながら強く優しくタムを育てていくのだろうと、その未来が見えるようだった。ひとりの男性を愛したふたりの女性の生き方が際立ち、そのどちらにも女の生き様が見える。それは演じた笹本と知念の力だろう。

 特にエレンは、キムがクリスと幸せになるには邪魔な存在にもなってしまい、観客の共感を得るには難しい面もあるだろう。そのエレンの苦しみとクリスへの愛、キムとタムへの思いなど、細やかに演じた知念が素晴らしかった。

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