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特集 (2)10年ぐらい女性役を演じているから、引き出しがある

2016年11月18日更新
写真:笠原浩夫=伊藤華織撮影 笠原浩夫=伊藤華織撮影

――本作は登場人物がほぼ女子高生の群像劇で、スタジオライフさんでは珍しい作品です。先ほどの稽古で、女子が集まった時ならではのキャッキャッとした雰囲気が伝わってきましたが、ほかの作品とは意識は違いますか?

:大いに違いますね。女性役は本物の女性が演じたほうがもちろんきれいですが、男性が演じるからこそ面白く演じられる、僕らだからこその強みを全面に出せるかなと思います。「デイジー」は文化祭でお芝居を発表するという設定なので、みんなが一生懸命前のめりで芝居ができるところも面白いです。

曽世:男性が女性を演じることで、女性のお客様がどれだけ感情移入してくださるかが勝負なのかなと思います。さまざまなキャラクターがそろっているので、きっと誰かに共感できると思うのですが、それが男性の僕らのフィルターを通してより共感を引き出すことができればと思っています。それと、年月を経たからこそできるという意味では、キャリアを重ねると勇気が出ます。例えば20代の頃に女子高生役を演じたら、やっぱりどこか恥ずかしい部分があると思うんですよ。でも、この年齢までくると、宇宙人を演じるのとあまり変わらない気がします。恥ずかしいという気持ちはなくなって、役の心情だけを置いておける気がします。これは、スタジオライフが男性だけで30年間舞台を作ってきた強みなのかなと。余計なものを脱ぐことができるのがキャリアの強みなので、稽古がとても楽しいですね。

笠原:単純なところが魅力かなと思います。女子高生がたくさん出てくる時点で、「おお?」と興味を引くと思うんですよ。しかも、それを男が演じている。この幾重にもフィルターがかかっている状態が魅力なのかなと思いますね。クラシカルな青春の雰囲気を演じられるところもいいなと思います。

――デイジーはとくに真っすぐなキャラクターで、青春物語の王道ヒロインですよね。ただ、先ほど稽古を拝見して、笠原さんが演じられると、そこはかとなく面白さも漂っている気がしました。

笠原:本当ですか!(一同笑)

――可愛らしさの中にも、ユーモラスで開き直りそうな雰囲気があるなと。

笠原:勝手ににじみ出てきてしまうんですよね(笑)。

――この作品は数多くちりばめられている「女子あるある」にクスッとして共感します。みなさんは、女子っぽさを出すために何か参考にしていることはありますか? 稽古場では、岩さんがミラーをさっと出して顔をチェックする様子がとても自然だなと思いました。

笠原:10年ぐらい女性役を演じているから、引き出しがあるんですよ。変わった引き出しもいっぱいあって。

:たしかに入団してから女性役を何度も演じさせてもらっているので、そういう意味では年輪がそこに出ているかと思います。

――そんな岩さんに、倉田さんは「ちょっとおじさんすぎる」と指摘されていましたね。

倉田:まずは女子高生をきちんと演じたうえで、ここぞというときに、おじさんぽさを出してもらうと意味が出ると思うんですよね。

――笠原さんは何か参考にされたものはありますか?

笠原:何かを参考にしたりはせずに台本を読んで作り上げたいと思っているのですが、先日テレビで高校時代の恋愛をテーマにしたバラエティー番組を見て、「このキュンとする気持ち、俺、今欲しているかもしれない!」と思いました。今まで一度も彼女がいたことがない男子学生がシミュレーションでデートをするという企画で、その雰囲気を自分は忘れているな、デイジーに使えるなと思いました。それから「女子学生 キュンとする」という検索ワードで調べて、これ甘酸っぱいわ~みたいなエピソードをチェックしましたね(一同笑)。

――曽世さんはいかがですか。

曽世:倉田さんは、女性役が初めての方には、必ず女を演じすぎないでって言うんですよ。女をやろうとしないでと僕らはたたき込まれているんですね。わざと演じようとしないことが、かえって女性のお客様に「あるある」と思ってもらえるのかなと思います。何もしない勇気ですね。

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