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特集 (2)新兵の表情の細やかな変化に目を奪われる

2016年11月25日更新
写真:「木の上の軍隊」公演から=谷古宇正彦撮影 「木の上の軍隊」公演から=谷古宇正彦撮影

 新兵役の松下にはスターファイルでインタビューもさせてもらったが、プログラムを開いて稽古場風景の写真にまず驚いた。インタビューしたときの屈託のない表情から、いつの間にか兵士の精悍(せいかん)な顔つきになっていたからだ。その一挙一動、表情の細やかな変化に目を奪われ、思わずオペラグラスで追いたくなる。上官と違って彼の行動は常にシンプルだが、純粋な笑顔の奥に人間としての本当の賢さを感じさせる。上官が「無垢(むく)さもここまでくれば罪だ」と罵倒し恐れたのは、この賢さだったのではないかと考えさせられる。

 そして、「語る女」を演じる普天間。役名の通り、ナレーションや2人の心の声を担当したり、歌ったりする。その声は時に飄々(ひょうひょう)と、時に悲しく響き、沖縄出身の彼女ならではの思いが、抑えた演技からも切々と伝わってきた。物語が進むにつれてガジュマルの木と一体化していくかのように見え、まるでガジュマルの木の精のようだと思った。後でプログラムを読むと、「語る女」は本当にガジュマルの精霊という設定なのだと知って驚いた。

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