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特集 (5)さまざまな愛の形が、美しい背景に彩られる

2016年11月28日更新
写真:「金色の砂漠」公演から、ギィ役の明日海りお(左)とタルハーミネ役の花乃まりあ=岸隆子撮影 「金色の砂漠」公演から、ギィ役の明日海りお(左)とタルハーミネ役の花乃まりあ=岸隆子撮影

――タルハーミネとテオドロスの婚礼前夜、ついにギィはタルハーミネへの思いを実らせた。情熱に身をまかせ、国を捨てて逃げだそうとした2人の前にジャハンギールが立ちはだかる。追い詰められたタルハーミネは、王家の誇りを守るため、ギィに死刑を宣告した。拷問され瀕死となったギィ。だがその目の前に、意外な人物が現れ……。

 思わぬ人に助けられ、砂漠へと逃げ延びたギィは、ラクメ(花野じゅりあ)、ザール(水美舞斗)ら盗賊の仲間入りをし、いつかイスファンに舞い戻って復讐(ふくしゅう)することを誓います。王国をも飲み込むギィの怒りはどこまで燃え上がるのでしょうか。

 狂気に満ちたギィとタルハーミネの恋。ジャーとビルマーヤの抑制された恋。ジャハンギールとアムダリヤの他者には計り知れない関係。そして、ギィの出生の秘密……さまざまな愛の形が、金色の砂漠という乾いた美しい背景に彩られ、上田先生らしい繊細な世界観で描かれました。これまでの作品のように、とことん泣かされてしまう系ではありませんが、女性らしい独特の感性にはやっぱりツボを押されてしまいます。

 芝居終わりには短いショーがつき、明日海さんと花乃さんがギィとタルハーミネに扮して踊るデュエットダンスや、ターバンを巻いた男役の黒燕尾などがあり、満足感もしっかり味わえます。パレードのエトワールは花乃さんがつとめ、有終の美を飾ります。

 宝塚歌劇では100周年以降、どの公演も大盛況が続いてきました。今年最後の大劇場公演を担う花組も連日大にぎわいで、2016年を華やかに締めくくりそうです。

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◆「雪華抄」「金色の砂漠」
《宝塚大劇場公演》2016年11月11日(金)~12月13日(火)
《東京宝塚劇場公演》2017年1月2日(月)~2月5日(日)
⇒内容については公式ホームページなどでご確認下さい。
http://kageki.hankyu.co.jp/revue/2016/konjiki/index.html

《筆者プロフィール》さかせがわ猫丸 大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。

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