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特集(5)共感できない役だからこそ、イマジネーションが広がる

2011年3月28日
写真:瀬奈じゅん 撮影・仲宗根美幸
――続いて「アンナ・カレーニナ」ですが、このアンナ役は本当に難しい役だなという印象を受けたのですが、やってみて、いかがでしたか?
瀬奈:久しぶりに、「ああ、芝居してる!」っていう感じでした。「エリザベート」は歌で綴られていくので、歌が中心でしたが、「アンナ・カレーニナ」はどっぷりお芝居。歌もあるのに、まるでストレートプレイのような感じ…で、演じてみて「うわーっ、これ、楽しい!」。カンパニー自体もとても素敵で、ほんとに居心地が良くて、千秋楽はお別れするのが悲しかったですね。役とも、カンパニーの皆さまとも。
――でも、アンナという女性は、普通は経験できないことをやってしまう人で、なかなか自分に引き寄せにくい役に思えるのですが、役作りは、どういう風になさったのですか?
瀬奈:私、いつも、「役作りってどういうふうにするんですか」って聞かれると、ほんとに答えられないんです、うーん…。
――なんというか、共感は、されにくい女性じゃないですか。
瀬奈:まったく共感できないですね。だからこそ、その人の人物形成…その性格とか、どういう感じで育ったかとか、そういうことへの想像が膨らむのかもしれない。台本や、一緒に演じている方たちの芝居などから、想像力、イマジネーションでつくりあげていく感じでしょうか。
――役の設定を自分で細かく考える方もいますが…。
瀬奈:もちろん、何歳で、何人兄弟で、家族構成はこうで…とか、そういうことも必要かもしれない。でも、私はあまり、そういうことは考えないですね。必要最低限のことは、台本に載ってるじゃないですか。だから、まずは心を大切に、台本を読んでみるんです。そして、「ここで、こういう風に取り乱すってことは、こういう環境で過ごしていたのかな」という風に考える。最初から環境を考えてしまうのではなく、まず心情から入ってみるという順番の役作りですね。
――じゃあ最後に今後のことを少し。夏に「三銃士」のミレディ役での出演が決まっています。お写真を拝見すると、すごくカッコいいですね!
瀬奈:「謎の女」なんです(笑)
――また今までとは違った感じの役になりそうですが…。
瀬奈:そうですね、すごい悪女だし。私、今まで悪役をやったことがないので、すごく楽しみです。でも、悪いだけじゃなくて、女としての哀しみとか、せつなさみたいなのもあるんですよね。これまで世界各国で上演されてきた映像をみる限りでは、素敵なダンスナンバーもありそうなので、それも楽しみです。
――さらにその後、「ニューヨークに行きたい!!」での主演も決まっています。
瀬奈:2作続けて、橋本さとしさんとご一緒させていただきます。先日、帝劇100周年記念パーティーでご挨拶させていただいたときも、なんだか夫婦漫才みたいになってしまって(笑)。すごく面白い方だったので、ちょっとこの先、楽しみです。
――今年もまた、ご活躍が期待できそうで、楽しみにしています。
瀬奈:はい、ありがとうございました。
――ありがとうございました。

<インタビューを終えて>
 ご本人も「丸くなった」とおっしゃっているけれど、実際、ゆったりとした、それでいてチャーミングな話しぶりが、耳にも心地よいインタビューだった。
 とくに印象に残ったのは、アルゼンチンタンゴに挑戦しようと思ったいきさつの話。女優としてやっていくうえでの自分の課題をきちんと見つめ、それをクリアするための最適な方法を見つけ出す、その戦略的思考に舌を巻いた。何事も気合だけではままならない、こういう思考ができる人だけが、自分を高めていけるのだろう。見習わなければ!
 宝塚時代が短距離走だとしたら、これからの女優人生は長距離走。この1年で走り方をうまく切り替えて、自分のペースで心地よく風を切りながら走り始めている、「ALive II」では、そんな瀬奈さんの爽やかな空気が感じられそうだ。

<インタビュアー・プロフィール>中本千晶(なかもと・ちあき)フリージャーナリスト。宝塚関係の著作に「宝塚読本」(文春文庫)、「なぜ宝塚歌劇に客は押し寄せるのか」(小学館新書)。Astandスターファイルでも「ヅカナビ」連載中。

ALive II 〜Handsome Woman〜

【東京公演】
2011年4月1日(金)〜4月5日(火)、赤坂ACTシアター
【大阪公演】
2011年4月9日(土)〜4月10日(日)、NHK大阪ホール

詳しくは、公式サイトへ

 (関連リンク:瀬奈じゅん オフィシャル ウェブサイト

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