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特集(3)【桐生麻耶】陸上で全国2位で体育大へ それが…

2011年3月31日
写真:桐生麻耶 撮影・岸隆子
――桐生さんのきっかけは?
桐生:えー、走ってました。陸上部でした。
――り、陸上部??
桜花:有名な選手だったんですよ。インターハイとか、国体とかに出てる立派な選手だったんです!
――ど、どんな選手だったんですか?
桐生:ぼちぼちな…。7種競技とか、走り高跳びとかだったんですけど。ぼちぼちの…。
――ちなみに成績は?
桐生:インターハイで2番でした。
(全員)すごーいっ!
――全国で2番?
桐生:はい。800メートルで負けたんです。それまで、1番やったんですけど! 根性がないので(笑)。800メートルって、しんどいんですよ。400メートルの2周ですよ。
桜花:しかも練習嫌いって、言うてへんかった?
桐生:大嫌いっ!
桜花:練習嫌いやのに、そこまでできるっていうのは、すごい才能やと思う。(高世うなずく)
桐生:まあ、それで、大学に行ったんですよ。陸上で。だから、お稽古ごとがどうという問題ではなく、アウトドアだったんで。インドアの舞台の「ぶ」の字も知らなくて…。
――専攻は?
桐生:私、半年で辞めちゃったんで…。陸上で推薦で行かせて頂いたんですけど、やめてしまって…。
――やめて、OSK?
桐生:はい。「OSKに入りたい!」って、やめてしまったんです。
(全員)えーっ? なぜ?
桐生:なんででしょうね。今は、なんでやろなって思うんですけど。あのー、やっぱり男役でしょうね。同じ学科の子にOSKを知っている子がいて「大阪にこんな劇団があるんだよ」って言って、その時はビデオですね。で、見してもらって…。もう、その時に。もう! もう! ノックアウトですね。「うわー!」って。「かっけー!」って(笑)。
桜花:すごいねー。180度違うやん、陸上から。
桐生:あのー、あるのは、上下関係だけ! それは、一緒だった。はい。
高世:ジャンプものと(笑)。
桐生:そう、ジャンプものと。体力と。無いのは、芸だけで(笑)。
桜花:近鉄時代に、陸上選手だった先輩がいはって岡山出身の方やのに、お互いに名前知ってるって、ね。
――ご出身は?
桐生:栃木県です。
――岡山で走っていた人と栃木で走っていた人が、OSKで…。
桐生:初めて、具体的に自分で道を選んでやりたいって思ったのが、この男役っていう存在だったので。
桜花:陸上は、なんとなく?
桐生:陸上は、なんとなく…。や、そりゃー、頑張りましたけど。でもまあ、ほどほどに…。よく、サボってましたし。しんどいんですね、走るのって。
桜花:舞台もしんどいやん。
桐生:あのね、そうなんですよ! 舞台もしんどいんですけど、一番しんどいってものが、陸上から舞台に変わって「うわっ!」て思うのが、「舞台は、人の評価」なんですよね。それにギャップを感じた、というのはあります。陸上は記録だけだから。早い者、高い者、遠いもの…が一番ですからね。舞台は人の好みになるから、新体操とかと一緒なんですよね。そこに、すごく違いを感じました。
桜花:失敗しないことにこしたことはないけど、失敗しても減点にはつながらないもんね。
桐生:そう、そうなんですよ。正解っていうのはないから、手を抜こうって思えば、いくらでも抜けるし、だけど、積み重ねようと思えば、いくらでも積み重ねられるから。それに関しては、自分に出てくるだろうなーって。
――失敗しても、減点につながらない、っていうのは?
桐生:ハードルを倒したらタイムが遅くなる。だけど、舞台に関しては、これが失敗っていうことはないんです。
桜花:例えば、転んだとしても、減点ではないから、そこをどう表現するかで、逆にお客様の評価につながったりもするから…。
桐生:舞台っていうのは、本当に幅広い。
――反対に、完璧にできているからいいっていうものでもない?
桜花:舞台は点数で人が評価されるところではない、っていうのは確かに思います。
桐生:ただ、ボルトとかはすごい!って思います。
桜花:ボルト?
桐生:もう、寝不足で…。もう、ものすごい、マックスです。100があれで、200があれだから、「イェーッ!」って。(ピースサイン)
桜花:だれ? ボルトって?
桐生:100メートルと200メートルで世界新出して、めっちゃカッコいいんですよ! あのね、あのね、だいたい緊張するんですよ、初日と一緒だと思うんですけど、もうね、すごいんです、もう! こんな感じなんです(手をぶらぶらさせて、リラックスした様子で)。で、出すんですよ、世界新を! 流して走ってるんですけど…。ゴールではこんな感じで(手を挙げて)。
桜花:普段は、抜けてる感じがいいんやね?
――陸上と舞台と、相通ずるものがあると…。
桐生:どこかにあるとは思います。強さは、何であっても必要だと思うんで…。その強さというのは、陸上をやってる時に顧問の先生にピシッと教えていただきました。3年間、毎日ノートに練習メニューを書いて練習して、それを先生が目を通してくださって。私は先生に出すだけなんですけど、先生はひとりひとりに、40何人とかに書いてくださって。
桜花:握力、すごいよね。瞬発力とジャンプ力も。
桐生:はい、誰にも負けません。
高世:カモシカの脚と(笑)。
桐生:体は、もう、非常に硬いです(笑)。でも、バレないんです。
桜花・高世:確かに。そう見せない踊りよね(笑)。
――180度違ったOSKに入られて、ご苦労は?
桐生:あの…言ってしまえば、苦労だらけですよ(笑)。何にも知らなかったんで。
高世:今でもすごく覚えてるんですけど、私、いっこ上なんですね、学年が。入学試験のお手伝いに入ってたんですよ。その時に受けに来た印象が…(笑)。スピリッツなんか、一生懸命やってたもんね。入試に、開脚して足がつく振りがあったんですよ。習ってないからできないはずなのに、でも一生懸命やってたよね。
桜花:OSKに入ってから、開脚できるようになったんやね?
桐生:いえ、あの、受験の時だけできたんです(笑)。
――できないのに、頑張ってた姿が印象的だったと。
高世:すごい頑張ってたよね? 背も高いし、目立ってた。
桐生:受験生の控室が日舞室だったんですけど、入った瞬間に「あっ、先生だ!」って言われて…。ホントに、ホントに。「いやー、御苦労さまです」みたいな。で、みんな見るし。だけど、踊りだしたら、「うわっ、下手だし…?」みたいな…。
(全員、大爆笑)
桐生:最後の1、2を争うくらいの下手さで…。パドブレ(ステップ)も知らなかったんです。すごかったです、ギャップが。それは、今でも大変です。

OSK日本歌劇団 レビュー「春のおどり」

【大阪公演】
2011年4月3日(日)〜4月10日(日)、大阪松竹座

詳しくは、詳しくはOSK日本歌劇団オフィシャルウェブサイトへ

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