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特集(1)原作の「名ぜりふ」はここに

2011年3月29日

 シェークスピアといえば、機知と風刺に富んだ長ぜりふが特徴だ。現代風といわれる本作でも、じつは、「ここぞ」という場面では、原作のせりふがちゃんと使われている。むろん一言一句そのままではないが…タカラヅカ版をみれば、原作を読んだ気分にもなれるのだ。

 「ロミジュリ」といって思い出すのは、何といっても、「おおロミオ、あなたはどうしてロミオなの?」だろう。原作をちゃんと引用すると、こんな感じだ。

「おお、ロミオ、ロミオ! どうしてあなたはロミオ?
お父様と縁を切り、モンタギューの名をおすてになって。
(中略)バラと呼んでいる花を
別の名前にしてみても美しい香りはそのまま。
だからロミオというお名前をやめたところで
あの非のうちどころのないお姿は、呼び名はなくても
そのままのはず。ロミオ、その名をおすてになって、
あなたとかかわりのないその名をすてたかわりに、
この私を受け取って」

 もちろん、このせりふは今回も登場する。そう、ロミオとジュリエットが最初にバルコニーで愛を語り合う、あの場面だ。

 同じく、物語の後半、追放を命じられ、明け方には出て行かなければならないロミオとの別れを嘆き哀しむジュリエットのこんなせりふも、そう。

「もういらっしゃるの? 朝はまだまだこなくてよ。
あれはナイチンゲール、ヒバリではなくてよ、
あなたのおびえていらっしゃる耳に聞こえたのは。
毎晩鳴くの、むこうのあのザクロの樹にきては。
ほんとうよ、ほんとうにナイチンゲールだったのよ」

 ちなみにヒバリは朝が来るとともに鳴く鳥、ナイチンゲールは夜中に鳴く鳥。朝など永久に来て欲しくないと願うジュリエットの気持ちが切々と伝わってくるせりふである。これも「ひばりの歌声」という曲として歌われる。

 ロミオの親友、マーキューシオがティボルトに刺されて死ぬ場面。死に際のマーキューシオの語りがやけに長いが、ここも原作では、こんな感じだ。

「そう、(傷は)井戸ほど深くはないし、教会の門ほど広くもない。それでもこたえる、ききめは十分だ。ためしに明日、おれを訪ねてみろ、はからずも墓に眠る変わりはてたおれの姿をみとめるだろう。おれはもうだめだ。両家ともくたばるがいい!…(以下続く)」

 今にも死にそうな人がこんなにしゃべるかいな?と思うけれど、ここはマーキューシオ一番の見せ場でもある。ただ、ロミオに言い残す「ジュリエットを愛し抜け!」というひとことだけが何だか違和感あるなあと気になっていたら、これは原作には見当たらなかった。

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