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特集(2)仲良しこよしでは、お芝居はできない

2011年5月10日

写真:舞台「トーマの心臓」2010 より

(C)スタジオライフ

――今もそうやって飲むことは多いですか?

曽世:なんだか、酒をがーっと飲む人間が限られてきちゃって。これ、どこの社会でも同じみたいですけど。青木とかも来ないよね(笑)

青木:まあ…飲みには来ないですね。

――どこにいくんですか?

青木:いろんなところですね(笑)。ま、全員が全員、同じタイプだと面白くないので。いろんなタイプを取り揃えてます。

林:青木は、集団が嫌いだもんね。

青木:ま、嫌いですねー(笑)

――青木さんはあまり飲まない?

青木:飲まないですね。特定の人としか飲まない。

曽世:だからね、各都市公演などに行ったとき、青木をゴハンに誘えると、何だか「デカした!俺」みたいな気分になるんですよ。「青木さ、ゴハンいこうよ」って誘うと、たまーについてくるんだよね?

青木:それでも昔はよく声かけてもらってたんですけど、最近はそれもなくなって、放置されてる(笑)。でも、だから仲が悪いとかいうのではないんです。

――青木さんは何をしているんですか? ひとりで。

青木:まあ…いろいろすることはあるので(笑)

林:それも言わないんですよ。秘密なんです。

――秘密主義(笑)

曽世:青木はこのなかでは5期生(ジュニア5)なんですけど。いまシニアから10期生までいて、11個のグループがあって、上から下までいろんな人がいるって感じです。

青木:5期生ぐらいまでは「トーマの心臓キャストオーディション」で入ってきてるんですよ。それが6期生からは、定期採用みたいになってたんで、昔のスタジオライフの「トーマの心臓」の空気を受け継いでいるところに入ったのは5期生までの劇団員なんです。だから、ちょうど真ん中ではありますが、僕らはどちらかというと先輩寄りというか、今どきの劇団員とは、ちょっと違うかなと思うんですけど。

林:よー言うわ(笑)

――今どきの劇団員と自分はどう違うんですか?

青木:今の子たちは、「トーマの心臓」オーディションで入ってきてないので、入ってきてはじめて萩尾先生の作品をやってる劇団であることを知る、とか。僕たちは、萩尾先生の作品をやる劇団だからってことで、入ってきているので…。

――お耽美度が違うとか?

青木:いや、そういうことじゃないんですけど。「トーマの心臓」っていうのは、劇団にとってとても大切な作品なので、すごくピリピリとした特別な緊張感のなかでやる稽古になるんですよ。第一作目がそれなんで、すごく厳しい劇団のイメージが強い。

林:いや、厳しいよ、普段から(笑)

青木:でも、トーマの心臓の稽古場って、さらにすごいじゃないですか。「スタジオライフってすごい劇団だな、特別なオーラがながれてる劇団だな」っていうのを、新人のときに植え付けられるんですよ。でも、今の子たちは、そこを知らずに入ってきてる。

――上下関係って、厳しいんですか?

林:厳しい! すごく厳しいと思います(笑)

曽世:ただの仲良しだと、なあなあになっちゃうんで、あえてキチッとした縦社会を、みんなで作ろうとしています。

――具体的に、何かやってることとかあるんですか?

林:新人オーディションが始まる前に、座長が、「みんなで威圧しろよ」っていうんですよ。それで、新人をうわーっと取り囲んで、それで最初に上下関係をつくる。

青木:一番最初のときに「こんにちわ〜」みたいな感じだと、上下関係はできませんからね。

曽世:最初が肝心なんですよ。

林:そこでビビるんだよね、新人は。

曽世:もう、怖い怖い! 横一に並ぶんじゃなくて、ぞろっと囲むんだよね。それで、入っては辞め、入っては辞めて、常時30〜40人ぐらい。

――5人ぐらいを30人ぐらいで取り囲んで、威圧するんですね。

曽世:そうですね。それで、座長の指示のもと、先輩は声のトーンも普段より低いんです。「…よろしくお願いします…」だけで、よけいなことはしゃべらない。

林:まあ、そこに「どうもぉ〜」みたいな感じでは、入れないよね。

曽世:で、この集団のそれ以外の部分を新人のほうから探って、見いだしていくっていう感じですね。

青木:それが苦手で、できない人は、最初にふるいにかけられるっていうか。

――ふるいにかけられそうになったんですか?(笑)

青木:いや、生き残ったほうなんですけど。

曽世:何度もふるいにかけられそうになったろ?(笑)

林:俺も基本的には苦手。少人数は好きなんですけども。集団っていうのが、とにかく嫌いで…。だから、プライベートな時間に劇団員に会いたくないんです。

曽世:そういう人、けっこういる。電車で会っても、劇団に着くまでは気づかないふりをする劇団員とか、いるんですよ。

林:劇団総会とか稽古初日に全員で集まってさ、お互いに話し合う機会があるんですけど、そういうときに一同に会すると、なんか照れくさいというか、「もう、はよ終わってくれへんかな」っていう(笑)。なんかイヤなんですよね。会いたくないんですよ。気持ち悪い…。

曽世:って言いながら演劇をやろうとしているっていう、矛盾(笑)

――今日の服装なんですが、あらかじめ「シュッとした感じで」というリクエストをさせていただいた通り、全体としては「シュッとした」感じにまとまっていますが、一人ひとりは違っていて、それぞれの個性が出ています。どうやって決められたのでしょう?

林:それぞれ勝手に着てきました。

――そうなんですか? 事前に「○○さんは、こういう感じで」とか、打ち合わせされたのかと思ったのですが。

曽世:そんな丁寧な集団じゃないです(笑)

林:本当はこういうところでこそ、ちゃんとしたイメージを打ち出していかないといけないのに…。

曽世:いやいや、そういう打ち合わせをせずとも、結果ちゃんとした個性が出る集団ってことですよ。すばらしい!!

林:(笑)

曽世:でも、ほんとうに、いい意味でバラバラです。だけど、一個の作品をつくるときのまとまりは、ハンパない。

林:仲良しこよしでは、お芝居ってできないんですよ。仲はいいんだけど、いわゆる「俺たち、仲間だよなっ!」っていう仲の良さではない。会いたくないんだけど(笑)、ひとつのものを作り上げたいっていう方向性は同じで、ひとところに集まっている集団です。

◆スタジオライフ公演「PHANTOM ‐THE UNTOLD STORY‐〜語られざりし物語〜」
《東京公演》プレビュー公演:2011年6月9日(木)〜6月10日(金)
本公演:2011年6月11日(土)〜6月27日(月)

於:新宿シアターサンモール
⇒詳しくは、「劇団スタジオライフ オフィシャルホームページ」へ

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