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特集(2)宝塚の千秋楽、幸せがあふれて

2011年10月5日

写真:朝海ひかる

撮影・星野泰孝

――宝塚は、朝海さんにとってどういう世界だったのでしょうか?

 高校生のころに入りまして、音楽学校をいれて18年間宝塚にいたんですが、自分の人間形成から何から全部を育ててくれた場所です。高校時代はまだ人格がちゃんと定まっていない時ですし、そういう時に宝塚に入っていろんなことを学べて、いろんな人に出会って、そしてこういう舞台を続けていけるというのは、すべて宝塚のおかげだと私は思っています。ほんとに私の土台になっているという気持ちですね。

――人格形成というのは?

 社会的ルールというか、高校まではまだ子供なので、子供がいきなり舞台の世界、社会に入れられるということで、いろんなことを学ぶわけです。人とのコミュニケーションというか、大人としての大事なものを学んで、人格形成がされるのだと思います。

――学んだことで、へえ〜っと思ったことはありますか?

 いっぱいありますよ(笑)。たとえば、すごく基本的なことですけど、やはり上級生の方を敬うとか、下級生の面倒をみるとか、それは年功序列ですよね。運動部にいた方は違うかもしれませんが、私は中学・高校と文化部にいましたので、そういうことを身をもって感じてはいなかったんですね。年功序列ということは本当に教えていただきました。

――上級生を敬うことと後輩の面倒を見ること…。

 それが伝統の継承ということになるんですね。

――朝海さんにとっては思い出深い舞台は山ほどあると思うのですが、あえて言えば…。

 そうですねぇ。ほんとに全部が思い出深いので…。

――自分の中で、あのシーンは忘れられないなというか、うれしかった場面はありますか。

 うれしかったことは、やはり、退団の日の公演ですね。大劇場でもそうですし、東京でもそうですし、千秋楽の最後の公演が一番うれしかったです。幸せな1日でした。

――何がうれしかったのでしょうか?

 やはりお客さまの愛情というか、そういうものがあって16年間舞台に立って、最後の日に、この日、こういう舞台を迎えることができたというのが本当にうれしかったです。16年分の幸せというのが、一気にそこであふれたような気がします。

――苦しいことを思い出したりするよりも、幸せな思いがあふれて…。

 たぶんあそこに立ったものならわかると思うんですけど、充実感と幸せ感、興奮というのは、ちょっとやそっとでは忘れられないものです。はい。

――宝塚を卒業されてから、外の舞台をやるようになって、違いは感じられましたか?

 本質的は部分は何も変わりませんので、あまり戸惑うこともなく、すんなり入っていけました。

――あまりないけれども戸惑うことも少しはあった?

 宝塚の時の癖とか男役のような歩き方に自分では意識してなくてもなっていたりとか、立ち居振る舞いがそうなっていたりしたので、そのたびに演出家の方やまわりの方に注意をしていただいたり教えていただいたりして直していました。

――基本的なことは同じだとおっしゃっていましたが、ああ、同じだということはどういうことでしたか?

 やはり1つの作品をすごく煮詰めるというか、みんなでいい作品にしていこうという、作っていく過程は一緒です。

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