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特集(3)ショーでは絶対にハァハァ言いたくない

2012年4月26日

写真:萬あきら

撮影・岩村美佳

――宝塚時代のお話もうかがいたいと思います。今、卒業されてちょうど2年ですよね?

 そうですね。2010年の2月7日でしたから。2年と2カ月かな。

――この2年は、どんな風にお過ごしだったんですか?

 忙しかったですよ。劇団にいるときは、もう大先輩ですから、譜面でも何でもすべて皆さんが「はい、これです」って準備してくださったけど、辞めたら、いろんなことを自分でしなきゃいけないでしょ。舞台のご案内なんかも、自分で全部書いてると、「早く出してください!」って言われるんですよ。「いや…やっぱり、ダイレクトメールみたいなのは、私イヤだから」って答えながら、でも、なかなかできないから、もう周りの人に悪くて(笑)。でも、ちゃんと自分で考えて、作ってます。

――そうなんですね。

 それで、ライブをしたり。

――舞台もいくつかされてますよね。

 2カ月に1回ぐらいは何かしてました。その打ち合わせや、準備も忙しくて…一昨年が忙しかったから去年は少しのんびりしたいと思ってたけど、結局また忙しくなっちゃった。ほんとに、充実してるような、いいかげんなような(笑)。プロとしてやって来られている皆さんの中で、私はのんびりしているほうなので、いまいちプロになりきれてないような気がして…すべてが、のんびりしてるのでね。

――宝塚の舞台もかなりご覧になってるという噂ですが(笑)。

 そうですね(笑)。まだまだ下級生に知っている人も多いし、がんばってやってる姿は観ておきたいですからね。

――どうですか? 外の世界から改めてごらんになる宝塚の舞台は。

 「夢の世界だな」っていうのが、わかりましたね。外から見ると、宝塚にしかない素晴らしさが、すごくよくわかります。

――それは、どういったものですか?

 年ごろの女の子たちが夢に向かって、純粋にがんばっている姿を見守ってくださっている温かさがありますよね。それから、大階段とか、舞台のセットがやはりすごいですよね。外の舞台であんなことをしたら、大変じゃないですか。いつも観終わったあとに、「うわー、きれいだなー。これはもう、宝塚にしかないな」と思います。

――最近では、「REON!!」もご覧になったという。

 (笑)。もう、「REON!!」ね。ゆずき「REON!!」ねー。

――ご覧になっていかがでしたか? 「出たかった」とか(笑)。

 いやいや(笑)。みんな一生懸命やってて、いいんじゃないですか。柚希礼音は、すっごく成長著しい人ですし。私は彼女のことは初舞台の前から、レッスンなどで知っていたんですけど、そのときから印象に残っているんです。下級生の頃からよくしゃべってるし、公演も一緒に出てるし、要するにずっと成長を見ているので、今回はうれしかったですね。また、その柚希の下で下級生が安心して、若さいっぱいでがんばってる(笑)。だからもう、ニコニコして観てました。

――(笑)

 まるで保護者のようにね(笑)。

――せっかくなので私、ウィキペディアに載っていた萬さんの舞台歴というのをプリントアウトしてきたんですけど、もう、こんなに! ちなみに、この1977年の雪組「あかねさす紫の花/ザ・レビュー」が、私が初めて観た宝塚の舞台でした。こちらにも出ていらっしゃったんですよね。

 そうですか(笑)。ありがとうございます。

――こうしてみると、印象に残る役が本当にたくさんあるんですけど、萬さんからみて、ベスト3を挙げるとしたら、どれですか?

 ベスト3! …ブロードウェイミュージカル「グランドホテル」(1993年/月組)の、ジゴロかな。あの役がすごく印象に残ってます。ニューヨーク公演に行ったときに、メンバーみんなで「グランドホテル」を観せていただいたんですよ。時差の関係で行ったその日に観たから、かなり寝てしまったんだけど(笑)。でも、そのジゴロが出てくると「うわー、すごいなー!」と目が覚めて。難しいリフトも出てきたから、「このリフトはできないけど、この役はやってみたいな」なんて思いながら観てた、その役だったの。宝塚でやるときは、トミー・チューンさんがうまくアレンジしてくださって、そのリフトはやらなかったんですが。あれは本当に、うれしかったですね。

――やはり、ダンスの役なんですね。

 そのころはもう専科に入っていたから、ダンサーとして出ることが、なかなかなかったからね。でも、自分では、ショーに出たときに絶対にハァハァ言いたくないなと思って、レッスンだけは絶対に欠かさず行っていたんです。激しくは踊らないけど、中身の濃い大人の男性の役で、上級生にならないとできない役だったので、すごくうれしかったですね。退団公演「カサブランカ」の黒人ピアニスト、サムも印象深いです。あんなに下級生と触れ合える役は初めてで、最高に楽しく想い出深い作品になりました。

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