マイコンテンツ

ここから本文エリア

特集(4)脇でやってる人、辞めないで!

2012年4月26日

――萬さんといえば、ちょっと悪役っぽかったりもするんだけどカッコいい、大人の男の役が多かったですよね。

 そうですね、何だかね。

――そういう役を演じるのは、どういう感じなのかなと思って。

 うーん。やっぱりイメージがなんとなくあるんじゃないですかね。私、汚れ役をしてみたかったんですけど、意外とできなかった。アル中の役とかね。

――(笑)

 でも、1回だけ、「聖者の横顔」(2000年/星組)っていう作品では、ずっと好きだったけど別れてしまった女のワインに毒を入れて、無理矢理心中するような役もやりましたけどね。なんだか、死ぬのに踊ってたけど(笑)。

――最近の宝塚は、萬さん以降も重要な脇の役どころをできる専科の方たちがどんどんお辞めになっていて、ファンの方からも「大丈夫なのか」といった声が多く聞かれるのですが、そういったことに対してはどんな風にお感じですか?

 そうですね…。やっぱり、芸の世界は…こっち(ゲイ)じゃないですよ(笑)…奥が深いので、本当は宝塚も、芸を極められる場であって欲しいところはあるんですけど…でもいっぽうで、若い人が必要という部分も宝塚にはあります。でも、どうしてもやっぱり深みが出ないところがあるんですよね…。

――難しいところですね…。

 私自身は自分が辞めたいと思ったときに辞めようと思っていたので(笑)、ちょうどジャストって感じでした。体力的に云々とか、そういうのは全然なかったんです。もう、最後まで、舞台の向こうからばーっとダッシュして出たりとかしてましたからね(笑)。でも、きっとまた、そういう人が育ちますよ。今回の組替えでも、組長だった人が専科に入ったりして、そういう人がこれからは重要なところをやっていくだろうし。

――そうですね…。

 ただ、下級生のころから脇をやってきた達者な人たちが辞められるのは、本当にもったいないですね。外の世界でも、その年齢ぐらいに達した人じゃないと出せない風格というか、味があるじゃないですか。そういうものは、やっぱり素晴らしいですから。

――本当に、もったいないなあと、客席でも思います。どうにかならないものでしょうか?(笑)

 これはもう、ある意味どうしようもないことなんですよね。未沙のえるさんや星原美沙緒さんなどは、下級生のころからお芝居で芽が出た方なんです。とても素晴らしいものを持ってらっしゃるし、私はダンスから入っていきましたが、そういう人を見て育ちましたから。そういう見本になる人がいなくなるのは、やっぱりもったいないなと思います。いつも、「もったいない、もったいない」と言うんですけどね(笑)。

――そういう役者が育っていって活躍できるためには、何が必要だと思いますか? 今の宝塚の中にもそういうことに興味のある人もいるかと思うのですが。

 今は、下級生のころから脇をやっている人が、「もう少しがんばって、きっちり固めて欲しい」というところで辞めちゃうことが多いんですよ。「え――っ、組長までは絶対いると思ったのに」という人があっさり辞めちゃう。たぶんあれは、すごい損失じゃないかなあ。ほんとに、どうしたらいいんだろうなと思うんですよ。私たちはもう、やりたいことをずっとやらせてもらってきたから、今心配なのは、もう、それだけですね。

――やっぱり宝塚をご覧になっても、脇でがんばっている人に注目して観ちゃうところはありますか?

 それはあります。ダンスシーンで、ちょっと地味な存在だけど、がんばってる子とか。あるいは歌を聴いて、「あれ? こういう子、いたんだ」とかね。そんな人を見つけると、楽屋ですっとすれ違ったときに、「あ、良かったよ」って。やっぱり何かひとこと言いたくなってしまう。がんばって欲しいなと思う。いろんな素材が集まってひとつの舞台ができるんですから、少しでもいい芽が出てたら、そこは伸ばしてあげて欲しいですね。

続きを読む

戻る

バックナンバー

宝塚歌劇一覧へ>> 舞台一般一覧へ>> 動画掲載記事一覧へ>> 過去記事一覧へ>>

過去記事一覧へ>>

このページのトップに戻る