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特集(5)今をがんばれば、明日何かが生まれる

2012年12月11日

写真:和央ようか撮影・岩村美佳

――最近、宝塚もごらんになっていますが、改めて客席から観るのはいかがですか?

 普段からあまり考えてないからか、久しぶりに観に行ったときも「久しぶりの宝塚だ!」っていう感じがしなかったんですよね。ああ、先月立ってたところ?みたいな感覚でした。

――今後、舞台あるいは舞台以外でやってみたいことってありますか?

 …わかんない(笑)。宝塚時代から、「次は何がやりたい?」とか、「どういう役に挑戦したいですか」とかいった質問はいつもあったんですけど…。

――すみません、月並みな質問で(笑)

 いえいえ違うんです。そういえば宝塚時代にもよくそういう質問を受けていたなあと思い出したんです。で、いつもそのたびに「わかんない。何が来るかを楽しみに待ってます」みたいに答えてました。相変わらずそんな感じなので…わかんないですね。

――なるほど(笑)

 とにかく、「今をがんばれば、明日何か生まれるだろう」なので、明日につながる自分でいようとは思いますけど…「何がやりたい」とかは、あまりないんですよね。でも、新しいこと、ぜんぜん違うことは常にやりたいです。それと、今回の「ディートリッヒ」も来年の「ドラキュラ」もそうですけど、再演は本当にうれしいことなので、この機会は大切にしなきゃいけないとも思っています。

――その今回のディートリッヒでは、和央さんにとっての新しいところ、「ここを是非みてほしい」というのはどういったところになりますか?

 …ない(笑)

――えっ(笑)

 「この場面」じゃなくて、「この作品」に本気でぶつかっていって、ご覧になった方がエネルギーを持ち帰っていただけるものにするのが、私の今の目標です。みんなのエネルギーの中にいる自分が、どこまでのエネルギーを出せるかが、私の課題でもあるし。

――それは最近の課題ですか? それともずっとお持ちのポリシーですか?

 ポリシーですね。でも、今回の作品に関していえば、暗い時代の話なのにものすごく勇気をもらえる作品ですから、誰もが自分の心の中にある「プチ・ディートリッヒ体験」に重ねてみて、家に帰ってからも「私だってがんばろう!」と思ってもらえる舞台にしたいですね。…なんだかやる気ない人みたいですみません。「ここを観て」とか、私、苦手なんですよ(笑)

――お話をうかがって、改めて舞台が楽しみになりました。ありがとうございました。

〈インタビューを終えて〉
 まったりと、飄々とした感じで進んだインタビューだった。和央さんというと、宝塚時代の押しも押されぬ大スターのイメージが私の中には強かったのだけど、フェイスブックで旧友との再会も楽しんじゃうという、その自然体っぷりに驚かされた。そんなオフのナチュラルな姿と、舞台でのスターっぷりとのギャップも、和央さんの魅力なんだろう。

 そのいっぽうで、お話の端々からは、舞台に対して、ファンの方々に対して、また、震災に関しての様々な熱い想いも垣間みることができた。宝塚を卒業して、自ら道を切り開かねばならない立場になった和央さんが、ディートリッヒという女性の生き様から感じるところは、きっと想像以上に大きかったのだと思う。その意味で、今の和央さんが演じるディートリッヒはとても興味深い。(中本千晶)

【「ディートリッヒ」公演評はこちら】

◆「ディートリッヒ」
《東京公演》2012年10月29日(月)〜11月4日(日) 青山劇場
《大阪公演》2012年11月16日(金)〜18日(日) 森ノ宮ピロティホール
※公演は終了しています。

◆「トロイアの女たち」
《東京公演》2012年12月11日(火)〜20日(木) 東京芸術劇場 プレイハウス
⇒詳しくは、東京芸術劇場公演情報へ http://www.geigeki.jp/performance/theater008/

(関連リンク:和央ようかオフィシャルウェブサイト) http://www.yokawao.com/

《インタビュアープロフィール》中本千晶 フリージャーナリスト。宝塚関係の著作に「宝塚読本」(文春文庫)、「なぜ宝塚歌劇に客は押し寄せるのか」(小学館新書)、「なぜ宝塚歌劇の男役はカッコイイのか」(東京堂出版)。2012年11月に「ヅカファン道」(東京堂出版)を出版。Astandスターファイルでも「ヅカナビ」連載中。

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