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特集【公演評】ベルサイユのばら
龍オスカル・明日海アンドレで幕開け

2013年1月10日

 宝塚月組公演「ベルサイユのばら ―オスカルとアンドレ編―」が、1月1日、宝塚大劇場で初日を迎えました。宝塚歌劇をよく知らない人でも「ベルばら」は思い浮かぶほどの看板作品で、今回は2006年以来、7年ぶりの上演となります。月組トップスター龍真咲さんと準トップ明日海りおさんがオスカルとアンドレを役替わりで演じ、さらに花組トップの蘭寿とむさん、雪組新トップの壮一帆さんがアンドレで特別出演するという豪華な企画も加わり、宝塚の代名詞ともいえるこの不朽の名作が、2013年の幕開きを華やかに飾ります。(フリーライター・さかせがわ猫丸)

 1974年の初演以来、社会的大ブームを巻き起こした「ベルサイユのばら」は、池田理代子さん作の大ヒット少女漫画をもとに、公演回数1763回、通算426万8千人の観客動員を誇る、宝塚の財産となりました。軍人として生きる男装の麗人オスカルと、幼い頃から彼女を支えるアンドレの関係をベースに、魅力ある登場人物たちがフランス革命の動乱を生きるというドラマチックなストーリーは、いつの時代も人々の心をつかんで離しません。

 代々フランス王家を守るジャルジェ伯爵家の六女オスカルは、幼い頃より男として育てられ、乳母の孫アンドレと兄弟のように育ってきた。凛々しく成長したオスカルは、近衛隊隊長として活躍していたが、やがて貧困に苦しむ民衆を見かね、国民を守る衛兵隊への転属を願い出る。だがアランをはじめとする衛兵隊の隊士達は気性が荒く、彼女を受け入れようとはしない。それでもオスカルは、自堕落な衛兵隊士達と誠実に向き合い、熱意で頑なな彼らの心を次第に溶かしていくのだった。そんなオスカルを見守り続けながら、いつしか恋に苦しむようになっていたアンドレは、ある日、近衛隊士官のジェローデルがオスカルに求婚したと知り…。

 初日は基本バージョンの龍さんオスカル、明日海さんアンドレ。オープニングに白い軍服で登場した2人は、まさに漫画のキャラクターそのままの美しさです。龍さんは、オスカルの魅力でもある男役の凛々しさ光る軍人モードと、親しい人たちの前で見せる女性らしさをうまく切り替えていて、あまりの可愛らしさで時に胸が痛くなるほど。明日海さんのアンドレもひたすらクールで、身分違いのかなわぬ恋に苦悩する姿が切なく、準トップという肩書にふさわしい貫禄と実力を感じさせてくれました。

 アラン役の星条海斗さんは代表作となりそうなほどのハマり具合で、美弥るりかさんのベルナールも頼もしく余裕の演技。娘役トップの愛希れいかさんは、ロザリーという控えめな役ながら、その愛らしさでどこにいても惹きつけられる輝きを放っていました。

 ファンの間で「今宵一夜」と呼ばれている2人の思いが通じ合う場面や「バスティーユ」などおなじみの名シーンが次々と蘇り、ダメ押しにはなんと「空飛ぶ馬車」も登場します。オスカルとアンドレを乗せた馬車がオーケストラボックスも越えて、銀橋の上までせり出し、2階席と同じ高さまで迫ってくるので、これにはお客様も大喜び間違いなしでしょう。

 「ベルサイユのばら」は、やはり特別でした。家事や育児、仕事や勉強など日常の忙しさをひととき忘れて、夢の世界に浸るという宝塚の原点を思い出させてくれます。100周年にむけてのカウントダウンが始まった2013年、幕開けにふさわしいステージでした。

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◆「ベルサイユのばら ―オスカルとアンドレ編―」
《宝塚大劇場公演》2013年1月1日(火)〜2月4日(月)
⇒詳しくは、宝塚歌劇団公演案内へ http://kageki.hankyu.co.jp/revue/310/index.shtml
《東京宝塚劇場公演》2013年2月15日(金)〜3月24日(日)
⇒詳しくは、宝塚歌劇団公演案内へ http://kageki.hankyu.co.jp/revue/311/index.shtml

《筆者プロフィール》さかせがわ猫丸 大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。

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