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特集(1)組替え前に目に焼き付けたい龍・明日海の並び

2013年1月10日

写真:「ベルサイユのばら ―オスカルとアンドレ編―」より「ベルサイユのばら ―オスカルとアンドレ編―」より、オスカル役の龍真咲(左)、アンドレ役の明日海りお(右)=撮影・岸隆子

 求心力は、今もなお衰えていませんでした。「ベルばら、やるんだって? 見てみたい」。突然、知り合いに乞われてチケットを取ってあげた、という宝塚ファンのみなさんも今回は多かったのではないでしょうか。それを物語るように、劇場も連日、新鮮な高揚感に満ちていて、いつもと違った空気のにぎやかさだそう。

 豪華な衣装やセットに美しい登場人物、フランス革命の悲劇にまとうロマンチックなラブストーリーがもたらす究極の宝塚らしさは、やっぱり王道。内容も全部知っているはずなのに、何度見ても感動してしまう。「ベルサイユのばら」は、時代劇における「水戸黄門」のように、絶対安心・確実な面白さがあるようです。

 オープニングの安定感も裏切りません。劇場内全体がミラーボールに照らされて、ドラマチックなピアノの旋律が響き、おなじみの小公子と小公女たちが「ごらんなさい、ごらんなさい♪」と愛らしく声を揃え、豪華なわっかのドレスに身を包んだ娘役トップの愛希れいかさんが「ばらベルサイユ」を歌い、貴族や貴婦人が王宮で優雅に舞い踊る。そして肖像画から現れる白い軍服のオスカルとアンドレ…「これぞベルばら!」と、すでに興奮もマックスです。

 オスカルを演じる月組トップ龍真咲さんは、端正で極小な顔とスレンダーなスタイルにフリフリブラウスとゴージャスな軍服、ブロンドのロングヘアが最高に似合っていて、漫画から抜け出したよう。準トップの明日海りおさん演じるアンドレは、オスカルのそばでひたすら支え、一途に思い続ける忍耐の役。強さと包容力のある静かな、でも内面は熱く燃える男を堂々と演じています。龍さんとともに月組で成長し、ずいぶん貫禄もつきました。2人のカラーも近いことから見た目もしっくりしていて、息の合ったコンビなのはいうまでもありません。公演後は花組に組替えとなりますので、この並びもしっかり目に焼き付けておかなければ。

 ―1755年、フランス。代々王家を守るジャルジェ伯爵家の六女オスカルは、父(汝鳥伶)の意向により男として育てられている。そんなジャルジェ家に、乳母マロン・グラッセ(憧花ゆりの)の孫アンドレが引き取られることとなった。アンドレはオスカルの遊び相手兼護衛となり、2人は兄弟のように育っていく。

 幼いオスカルとアンドレが無邪気に剣の練習をしながら大木の影に隠れ、次に現れると大人の2人になっていた…月日の流れをシンプルに表現したこの演出も、欠かせない名シーンです。「ベルばら」にはこのように印象的なシーンがいくつもあって、それを一つひとつ確認するように愛でるのも、ファンならではの醍醐味かもしれません。

 落ち着いた役作りでマロン・グラッセに挑む憧花さんは、オスカルの乳母としての優しさをにじませ、しっとりと演じています。研13とまだ若いのですが、この公演で退団する花瀬みずかさんに替わって、春から月組の副組長に就任することになりました。花瀬さんはオスカルの母ジャルジェ夫人を。貴婦人を演じたら天下一品の娘役さんで、いつも気品があって美しく、退団が本当に惜しまれます。

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