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特集(1)新たな歴史 ベルばら万歳

2013年1月15日

写真:月刊タカラヅカ「ベルサイユのばら ―オスカルとアンドレ編―」より「ベルサイユのばら ―オスカルとアンドレ編―」から。バスチーユ牢獄の奪還へ蜂起した市民の先頭に立つオスカル(龍真咲)=兵庫県宝塚市、滝沢美穂子撮影

写真:月刊タカラヅカ「ベルサイユのばら ―オスカルとアンドレ編―」より「ベルサイユのばら ―オスカルとアンドレ編―」のクライマックス、ガラスの馬車で天を駆けるオスカル役の龍真咲(右)とアンドレ役の明日海りお=兵庫県宝塚市

写真:月刊タカラヅカ「ベルサイユのばら ―オスカルとアンドレ編―」より「ベルばら」上演史

 愛とロマンあふれる宝塚歌劇の代表作「ベルサイユのばら」が、7年ぶりに宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)の舞台で花開いた。歌劇団99周年の冒頭を飾って元日に開幕。これまでに426万人余りを酔わせた永遠の名作が、新たな歴史を刻んでいる。

 原作は池田理代子の漫画。革命に揺れる18世紀フランスを舞台に、王妃マリー・アントワネットとスウェーデン貴族フェルゼン、男装の麗人オスカルと乳兄弟のアンドレという2組の愛が展開する。

 「ベルばら」は一つではない。1974年の初演から2006年までの公演数は1763回に上るが、大きく「昭和」「平成」「21世紀」と呼ばれる3シリーズに分かれるほか、数多くのストーリーが存在する。「その時のスターの魅力が出るように毎回書き換えている」(脚本・演出の植田紳爾(しんじ))からだ。公演ごとにスポットが当たる人物も変わる。

 一方で、定番の場面や「愛あればこそ」などの名曲は毎回引き継がれる。「二枚目の型」を学ぼうと初演時の演出に招いた大スター、長谷川一夫と共に作り上げた独特の所作やせりふ回しも残る。いわば古典的な側面もある作品だ。

 今作は「オスカルとアンドレ編」。オスカルとアンドレは、月組トップスターの龍(りゅう)真咲(まさき)と準トップの明日海(あすみ)りおが交互に演じる。大劇場公演では、花組トップの蘭寿(らんじゅ)とむと雪組トップの壮(そう)一帆(かずほ)がアンドレ役で3日ずつ特別出演。植田は「手あかを取り払い、初演に立ち返って『これぞ宝塚!』の世界を追求した」と言う。

 舞台は小公子と小公女が「御覧(ごらん)なさい 御覧なさい」と可憐(かれん)に「ベルばら」開幕を歌う、ファンにはおなじみの場面から始まる。騒乱のパリに出陣する前夜、オスカルとアンドレが初めて結ばれる「今宵一夜」、アンドレの戦死、バスチーユ襲撃の群舞、オスカルの壮絶な死など、幾多の名シーンが次々と繰り広げられる。

 「説明ぜりふが省かれ、重要な場面が濃く描かれている。新鮮と言えば新鮮」と龍。初演時にオスカルを演じた榛名(はるな)由梨に連日稽古をつけてもらい、様式美を受け継いだ。「せりふの歌い上げ方、所作といった様式の中に宝塚の古典的な見せ方、美しさがある。一言一句逃さずにたたきこみたい」と語る。

 舞台終盤、オスカルとアンドレを乗せたガラスの馬車が空を飛ぶのが、今作の新演出。作品全体を通して、男社会で生きるオスカルの苦悩、市民の先頭に立って戦うオスカルの決意が際だった。

 4月には壮が主演する「フェルゼン編」の上演も予定されている。宝塚の魅力を凝縮した古典でありながら常に新作。100周年に向け、「ベルばら」のさらなる進化が始まった。(尾崎千裕)

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