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特集【インタビュー】アンナ・カレーニナ
一路真輝「恋の筋肉が動き出す」

2013年2月5日

 ロシアの文豪トルストイの小説を原作としたミュージカル「アンナ・カレーニナ」で、アンナを演じる一路真輝さんにお話をうかがいました。インタビューを5つの動画に分けて掲載します。(フリージャーナリスト・中本千晶、撮影・岩村美佳)

 2006年、2010〜11年に続く3度目の上演となる「アンナ・カレーニナ」。3度目のアンナを演じる一路さんだが、「皆、新作のように取り組んでいます。3回目にして初めて気付くこともいっぱい」。2月5日の初日を目前にした今は、毎日8時間に及ぶ集中した稽古の日々が続いている。

 厳格ながらも実は深い愛情を持つ夫カレーニン、そして、可愛い息子セリョージャという存在がありながら、若い将校ヴロンスキーとの恋で身を滅ぼしてしまうアンナは、女性の共感を得るのが難しい存在だ。一路さんはどうですか?と聞けば、「私も2回演じたけれど、アンナの気持ちに添えたことはありません。でも、今回は演出の鈴木(裕美)さんと、『思い切って原作は忘れちゃおう。ミュージカル版ならではのアンナ像を作っちゃおう』と話しています。いちがいに『ああ、イヤな女だった』で終わらないアンナを創っていくのは楽しいです。共感は難しくても、『あんな人生もあるかもね』と思ってもらえれば」とのこと。

 演出の鈴木さんからは、毎回キャストの面々に「お題」が与えられる。前回は「みんな、恋をしましょう!」だったのが、今回与えられたお題は、「恋に器用な人と不器用な人に分かれましょう」。恋で身を滅ぼすアンナやヴロンスキーはもちろん「恋に不器用な人」チームだ。「この年代になって『恋の初心者マーク』を貼られ、恋の筋肉を動かしながらがんばっています。お稽古場が恋のワークショップみたい(笑)」と、何とも楽しそうな稽古場の雰囲気が伝わってきた。

 ラスト、アンナが息子セリョージャを思って歌うところは、本作品のクライマックスともいえる緊迫感溢れるシーンだ。自身も母親である一路さん、どんな気持ちで演じているかを聞いてみたところ、「今回はただ悲しいだけじゃないんです」とのお答え。「子どもの成長とともに私自身も違ってきているのは面白いですね。私が変わればアンナも変わるし、アンナが変われば周囲の人たちも変わっていく。前回もご覧になっている方には、そういう違いも見ていただきたいですね」と話した。

 近況についてのお話も。まず、2012年たいへん盛り上がった「エリザベート スペシャル ガラ・コンサート」については、「まるでお祭りのようでした。あんな風に夢のような時間を持てたことに感謝しています」と振り返り、11年8月から続けているブログについては、仕事のこと、子どもとのこと、両方を綴る楽しさと難しさがあるという。

 ずばり、一路さん流の仕事と家庭の両立術も聞いてみたところ、「最近は娘も6歳になって、仕事のこともわかってくれるようになりました。2年前にアンナをやったときよりは、確実に仕事に集中できています。私の場合は、娘のほうが自立してくれていて、仕事と家庭とのバランスは難しいけれど、しっかりした娘がついてきてくれてるかな(笑)」と、娘さんへの感謝のひとことも。

 「重くて、悲しいお話ではあるけれど、少しでも『人生を楽しみたいな』という気持ちで帰っていただけるような作品にしたい」と、3度目、そして今回がファイナルとなるアンナ役への意気込みでインタビューは締めくくられた。

〈一路真輝さんのプロフィール〉
 宝塚歌劇団トップスターとして『風と共に去りぬ』(スカーレット・オハラ)、『ベルサイユのばら』(オスカル役)などの話題作に出演し、1996年日本初演となる『エリザベート』(トート)で退団。同年に、東宝ミュージカル『王様と私』のアンナ役で女優としてのスタートを飾る。2000年にはタイトルロールとして東宝版『エリザベート』に臨み、その後06年(日生劇場)まで出演。また『キス・ミー,ケイト』『イーストウイックの魔女たち』では一転、茶目っ気あるコメディエンヌぶりを発揮。06年日本初演『アンナ・カレーニナ』で哀しい運命のヒロインを鮮やかに演じ、その後結婚・出産を経て、2010年、同作品の再演で自身も5年振りに本格舞台復帰。その後、音楽劇『リタルダンド』、宝塚歌劇団退団後初の時代劇となる『女たちの忠臣蔵』、ミュージカル『ルドルフ・ザ・ラストキス』に出演し、以前にも増した熱い演技に女優としての幅の広さを見せている。最近では『エリザベート スペシャル ガラ・コンサート』で、16年ぶりにトートを演じ、大好評を得る。5月には、『女たちの忠臣蔵』博多座公演が控えている。1996年第22回菊田一夫演劇賞、2004年第12回読売演劇大賞優秀女優賞受賞。

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◆「アンナ・カレーニナ」
《東京公演》2013年2月5日(火)〜17日(日) ル テアトル銀座 by PARCO
《大阪公演》2013年3月2日(土)〜3日(日) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
《名古屋公演》2013年3月16日(土)〜17日(日) 名鉄ホール
⇒詳しくは、「アンナ・カレーニナ」オフィシャルサイトへ http://www.anna-karenina.jp/main/

(関連リンク:一路真輝オフィシャルサイト) http://www.toho-ent.co.jp/actress/show_profile.php?id=1236

(関連リンク:一路真輝オフィシャルブログ) http://ameblo.jp/ichiro-maki/

《筆者プロフィール》中本千晶 フリージャーナリスト。宝塚関係の著作に「宝塚読本」(文春文庫)、「なぜ宝塚歌劇に客は押し寄せるのか」(小学館新書)、「なぜ宝塚歌劇の男役はカッコイイのか」(東京堂出版)。2012年11月に「ヅカファン道」(東京堂出版)を出版。Astandスターファイルでも「ヅカナビ」連載中。

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