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特集(1)この姿が素?と思わせる未涼

2013年2月15日

写真:「ブラック・ジャック ―許されざる者への挽歌―」より「ブラック・ジャック ―許されざる者への挽歌―」より、ブラック・ジャック役の未涼亜希=撮影・廣江修

 初日を迎えたこの日は、奇しくも手塚治虫先生の命日でした。数多く残された名作のなかでも、ブラック・ジャックは大人の心もくすぐる傑作で、その人気はリスペクトした作品がいくつも生まれたほど。ファンにとってもこだわりのあるキャラクターを演じるのは難しそうですが、未涼さんはそのあたりをどう演じるのでしょうか。

 まず、モノトーンでシンプルなセットがブラック・ジャックの世界観を表しているよう。そしてブラック・ジャックの影となる黒づくめの男たちが妖しく踊り、常に舞台のどこかに佇んでいます。都会風の男女がコロスとなって、主要人物たちのセリフをリピートするのもストレートプレイ風で、斬新な演出から物語は始まりました。

 ―ブラック・ジャックは、素性はおろか本名すら知られていない謎の外科医。医師免許を持たず、法外な治療費を要求するが、メスさばきは神業と言われ、患者は引きも切らない。大統領の手術中に手を止め、報酬の交渉を始めるようなあくどいやり方でも、世界一の技術には誰も逆らえず、医師連盟でも彼の存在は厄介だった。

 ブラック・ジャックは、やはり雰囲気から作りこんでいくキャラクターでしょう。ビジュアルはもちろん、表情、立ち方、座り方、脚の組み方ひとつとってもイメージを崩さず、普通の男性を演じるのとはまた違った空気を作り出さねばいけません。しかしそこは未涼さん。ごくごく自然で、この姿が「素」なんじゃないか?と思わせるほど、ブラック・ジャックが体に溶け込んでいました。でも前回の大劇場公演「仁」でも、青天の恭太郎が「素」じゃないかと思わせましたので、これはもう未涼さんの役作りに完敗でしょうか。そしてセリフもいちいち冷たいです。突き放すようなことばかり言うので切なくなってしまいますが、それだけに時おり見せる優しさにメロメロにさせられちゃうんですよね。思うつぼです。もちろん哀愁セクシーボイスも健在で、歌もたっぷり聞かせてくれました。

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