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特集【公演評】ブラック・ジャック
クールであたたかく、未涼が燃える

2013年2月15日

 宝塚雪組公演「ブラック・ジャック ―許されざる者への挽歌―」が、2月9日、シアター・ドラマシティ(大阪)で初日を迎えました。巨匠・手塚治虫氏が生んだ名作漫画で、宝塚では1994年に安寿ミラさんが主演し、大好評を博しました。謎の外科医というクールなキャラクターに、同じくクールビューティーが持ち味の未涼亜希さんが、ドラマシティ初主演で挑みます。(フリーライター・さかせがわ猫丸)

 ブラック・ジャックは医師免許を持たずして、どんな手術でも成功させる男。しかし、評判を聞きつけた患者がわらをもすがる思いで訪れても、法外な報酬がなければ引き受けません。他者をひるませるような独特のルックスと冷酷さを持ちながら、その奥に隠れた優しさと、外科医としてのプロフェッショナルな仕事ぶりが魅力的な、漫画界の人気キャラクターです。

 初演の安寿さんがあまりにも当たり役だったようで、もはや伝説の域に近づいていたこの「ブラック・ジャック」が、ついに待望の再演となりました。演じるのは宝塚きっての「静かに燃える」男役・未涼亜希。なんと粋な人選でしょうか。

 ―謎の外科医ブラック・ジャック。無免許で治療するその活動スタイルは違法であり、医師連盟も頭を痛める存在だ。だが奇跡を起こす彼の技術を求めて、治療を望む人々は後を絶たない。国を背負うほどのVIPでさえも。そんなある日、彼のもとにバイロン侯爵(夢乃聖夏)と名乗る紳士がやってきた。事情があり遠くへは行けないと断るブラック・ジャックに、意地でも引き下がらないバイロンは、ついに強硬な手段に出る―。

 予想通り、未涼さんは見事なまでによく似合っていました。半分真っ白な髪と黒いスーツスタイルにおなじみの胸元リボン、皮膚の色が一部違う顔のメイクも巧みに表現し、でも宝塚らしい美しさは損なっていません。テーマソングの「かわらぬ思い」やキャラクター設定はそのままに、今回は新しく書き下ろされたストーリーで展開、この作品に欠かせない「ピノコ」がどのように誕生したかも描かれています。

 さらに、夢乃さん演じるバイロン侯爵と、大湖せしるさん演じる恋人カテリーナの存在が、今回は特に見逃せません。ブラック・ジャックの影ある生き方と、ピノコとの不思議な関係。そして相変わらず熱い夢乃さんと大湖さんの運命をかけたラブロマンス。このバランスがいい具合に、物語を温かく包んでいました。

 このところ乗りに乗ってきた未涼さん。とにかく渋い! ひたすら渋い役作りがブラック・ジャックにマッチして、とことんファンのニーズにこたえる作品となっています。

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◆「ブラック・ジャック ―許されざる者への挽歌―」
《大阪公演》2013年2月9日(土)〜17日(日) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
⇒詳しくは、梅田芸術劇場公演詳細ページへ http://www.umegei.com/schedule/221/
《東京公演》2013年2月22日(金)〜27日(水) 日本青年館大ホール
⇒詳しくは、宝塚歌劇団公演案内へ http://kageki.hankyu.co.jp/revue/307/index.shtml

《筆者プロフィール》さかせがわ猫丸 大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。

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