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特集【公演評】オーシャンズ11
アダルトでスタイリッシュな花組版

2013年2月20日

 宝塚花組公演「オーシャンズ11」が、2月8日、宝塚大劇場で初日を迎えました。ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツら、ハリウッドの大物スターが多数共演し、話題となった2002年公開の映画をミュージカル化したもので、2011年11月に星組で初演されました。今回は「花組エディション」と銘打ち、よりブラッシュアップして待望の再演です。(フリーライター・さかせがわ猫丸)

 原作はダニー・オーシャンとその仲間10人が、巨大カジノの金庫破りに挑むサスペンス・アクションドラマ。壮大な計画をダニーが思いついたきっかけは、詐欺罪で服役中のダニーに愛想をつかした妻テスが、ラスベガスのホテル王・ベネディクトに奪われそうになったことから。テスを取り戻し、ベネディクトにひと泡ふかせてやろうと、親友のラスティーとともに仲間を探しますが、難攻不落の金庫破りには、各分野のエキスパートが必要です。さて、どんな個性的なメンバーが顔をそろえるのでしょうか。

 主演のダニー・オーシャンを演じるのは、もちろんトップスターの蘭寿とむさん。チョイ悪オヤジな色気を漂わせた役柄は、男役として円熟期を迎えた今の蘭寿さんにこれ以上ないくらいふさわしく思えました。妻テス役の蘭乃はなさんも、これまでにはなかった大人の女性を演じていて、歌もぐんと上達し、聴かせてくれます。

 ダニーの相棒となるラスティー・ライアンには、専科の北翔海莉さん。久しぶりの二枚目役で弾けています。変装するシーンが面白すぎて、お客さんでさえ正体を見破れないかも? 宙組時代をともに過ごした蘭寿さんとは息もぴったりで、絶妙なコンビネーションがみどころです。ダニーらのターゲットとなるベネディクトは、カジノを牛耳る切れ者で、強引にテスを手に入れようとする黒い男。望海風斗さんが堂々と演じていて、その実力の高さが舞台のクオリティーを高めていました。

 そして、ダニーとラスティーが探し出す仲間たちの活躍が見逃せません。映画ではマット・デイモンが演じたスリのライナスには若手のエース芹香斗亜さんが挑み、ジャグラーのイエン(華形ひかる)とマジシャンのバシャー(春風弥里)にもソロシーンが加わって、若手メンバーそれぞれに見せ場があるのも、この作品の魅力でしょう。舞台ならではの大規模なイリュージョンが仕掛けられ、お客さんを翻弄するようなにぎやかな客席下りもあります。

 映画では金庫破りがメインですが、宝塚版ではダニーとテスの愛憎部分を濃くロマンチックに描きながら、男同士の友情や対決を軸に、スリリングな金庫破りへと物語はすすみます。内容は星組版とほとんど変わっていませんが、まるで新しい作品のように感じられたほど、花組メンバー独自の魅力が炸裂で、見ごたえ抜群でした。

 伝統の「ベルサイユのばら」に沸いた2013年のスタートでしたが、この「オーシャンズ11」はアダルトでスタイリッシュ、ITも駆使した展開で、まさに「現代の宝塚」を象徴する作品といえそうです。

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◆「オーシャンズ11」
《宝塚大劇場公演》2013年2月8日(金)〜3月11日(月)
⇒詳しくは、宝塚歌劇団公演案内へ http://kageki.hankyu.co.jp/revue/316/index.shtml
《東京宝塚劇場公演》2013年3月29日(金)〜5月5日(日)
⇒詳しくは、宝塚歌劇団公演案内へ http://kageki.hankyu.co.jp/revue/317/index.shtml

《筆者プロフィール》さかせがわ猫丸 大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。

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