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特集(3)気になる?御剣検事のラブロマンス

2013年2月26日

写真:「逆転裁判3 検事マイルズ・エッジワース」より「逆転裁判3 検事マイルズ・エッジワース」より、マイルズ・エッジワース役の悠未ひろ(左)、アリソン・トレーザ役のすみれ乃麗(右)=撮影・廣江修

 さて、ゲームファンとして気になったのは、恋愛必須のタカラヅカ版において、「女性は苦手」とされる奥手な御剣検事に、どんなラブロマンスがもたらされるのだろうか、という点だったことだろう。

 お相手として登場したのは、アリソン・トレーザ(すみれ乃麗)という、フラメンコダンサーの女性。じつはゼングファ共和国という国からの亡命者であり、おそらくラテン系なのだろう。黒塗りの情熱的な雰囲気を持つ女性だ(ちなみに、この役をやっているのが、シリーズ1、2でライト弁護士のパートナー、マヤ(ゲームでは綾里真宵)を演じていた人と同じだという点は、ゲームファンの方々にもぜひ分かって欲しいところだ)。

 初めてアリソンと出会ったエッジワースは「ム、なんだこの気持ちは…」とドギマギしてしまう。奥手なエッジワースとアリソンとの恋模様(?)が、さりげなくコミカルに描かれる。タカラヅカお得意の、スパニッシュのダンスシーン満載の世界にいきなりタイムスリップさせてしまう、その強引さもまた面白い。

 事件も無事に解決し、さあ2人の行く末は…とドキドキしたが、ラストはアリソンがエッジワースに抱きつき、エッジワースがそれを(やや遠慮がちに)受け止める、というところで終わった。このときの2人の「身長差」がまた良い。あくまでストイックなエッジワースらしい、絶妙なさじ加減の締めくくりとなっていた。普段の生活に戻ったエッジワースは、アリソンとのことは思い出として胸にしまい、再び検事の道を邁進するのだろう。

 改めて、タカラヅカ版「逆転裁判」の成功要因は、単に「ゲームの画面から抜け出てきたかのような」キャラクターの高い再現率だけにとどまらないと感じた。ゲーム「逆転裁判」シリーズが持っているヒューマンな世界観が、タカラヅカに合っていたことも大きいのではないかと思う。ただ、キャラクターのビジュアルやしぐさなどの綿密な再現は、ゲームを知らない観客にとってはあまりに戯画的に感じられたかもしれない。

 さて、果たして今回の作品で多数見かけた男性たちが、「タカラヅカ」という世界自体にはどういった印象を持ったのか? 再び劇場に足を運んでくれることがあるのだろうかが気になるところだ。

◆「逆転裁判3 検事マイルズ・エッジワース」
《大阪公演》2013年1月9日(水)〜17日(木) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
《東京公演》2013年1月23日(水)〜28日(月) 日本青年館大ホール
※公演は終了しています。

《筆者プロフィール》中本千晶 フリージャーナリスト。1967年山口県生まれ。東京大学法学部卒業。株式会社リクルートで海外ツアー販売サイトの立ち上げおよび運営に携わる。2000年に独立。小学校4年生のときに宝塚歌劇を初観劇し「宝塚に入りたい」と思うも、1日で挫折。社会人になって仕事に行き詰まっていたとき、宝塚と再会し、ファンサイトの運営などを熱心に行なう。宝塚の行く末をあたたかく見守り、男性を積極的に観劇に誘う「ヅカナビゲーター」。12年11月に「ヅカファン道」(東京堂出版)を出版。

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