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特集【トピックス】「吉本百年物語」の集大成
3月公演「百年感謝 これからもよろしく」制作発表

2013年3月18日
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 2012年4月からの1年間、吉本興業の歴史を月替わりの芝居で描いてきた「吉本百年物語」がいよいよ大団円へ。3月公演「百年感謝 これからもよろしく」が3月20日、大阪・なんばグランド花月で開幕する。(フリーライター・岩瀬春美)

 これまで行われてきた「吉本百年物語」の制作発表では、「大阪・ミナミに夜のエンターテインメントを」と総合プロデューサーの中井秀範が繰り返し言い続けてきた。3月公演の制作発表でも中井氏は「会社の100周年事業としてだけではなく、大阪の商業演劇文化を何とかもう一度、盛り上げたいという思いでやってまいりました」と「吉本百年物語」制作に関する一貫した思いを語った。

 「今回は祝祭的な気分で」と説明するのは企画・制作プロデューサーの尾中美紀子。シリーズの集大成となる今作では、「笑い」とともに駆け抜けた吉本興業の歴史を、ライトミュージカル仕立てでファンタジックに繰り広げる。本作では「幸福とは? 笑いを生業にするとは? 笑うとは? 笑いが人生にもたらすものとは?」ということを念頭に置いたという。物語は吉本興業の創業者、林正之助の少年時代から青年時代、亡くなる直前までの長い時間軸で描かれ、5歳から82歳までの幅広い出演者が登場する。

 制作発表では、キャストの間寛平、亘健太郎(フルーツポンチ)、黒田有(メッセンジャー)、河内家菊水丸が登場。それぞれ意気込みを語った。猿田彦大神と僧侶役の寛平は「芸能生活を44年間やってきましたが、今までにない演技を見せたいと思います。あっと驚くような芝居をさせていただきます」とコメント。「笑いの神様」の姿で登場した寛平は、圧倒的な存在感を放っていた。

 物語の中心人物である林正之助の青年時代を演じる亘は「台本をいただくまで、こんな大役とは知りませんでした。歴代のビックネームの方がされている役なので、正直ビクビクしながら稽古に励んでいます。終わったときに僕がどう評価されるのかも楽しみにしていただきたいです」と話す。黒田の役は、日中戦争時代の戦地慰問団「わらわし隊」に参加した柳家三亀松。「女性にモテた師匠で、色気がある」という。「台本を読ませていただくと、僕また牢屋の中に入っているんです」と笑いを誘った。

 伝統河内音頭継承者の河内家菊水丸は「4月の幕開け公演で、河内音頭をにぎやかに歌わせていただきました。最後も、河内音頭で幕を締めるという大役を仰せつかりました」とあいさつし、自身の甲状腺乳頭がんの手術について話した。「甲状腺にがんが二つできていて、すでに転移もしていました」。最初の病院では、「二度と歌えなくなる」と宣言され、引退を覚悟していたが、その後、良い先生にめぐり会い、声帯を残した状態でがんを摘出できたという。また「15年ほど声帯を圧迫していたものを取り除いて、15年前の声に戻るのではないかという嬉しい言葉をいただきました」と話し、「張りきって幕締め音頭をとらせていただきたい」と意気込んだ。

 毎月、オリジナルの台本を書き続けてきた脚本の長川千佳子は、制作過程を卵からひながかえる姿と重ね合わせ、千秋楽には「鳥が風を受けて自由に舞っていく」イメージがいつもあったと振り返った。「花月」という劇場の名前に、鳥と風を入れると「花鳥風月」になるとふと気づき、「100年の暗号が解けたような感じがしてすごく鳥肌が立ちました。3月、これから鳥が飛び立っていくラストは、1年ではなく、100年のトリです」と感慨深い。

 1年を通して走り続けてきた「吉本百年物語」シリーズの集大成「百年感謝、これからもよろしく」。春の陽気とともに、華やかな気分で楽しみたい。

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◆吉本百年物語3月公演「百年感謝 これからもよろしく」
2013年3月20日(水・祝)〜4月7日(日) なんばグランド花月
⇒詳しくは、吉本百年物語公式サイトへ http://www.yoshimoto.co.jp/100th/monogatari/

《筆者プロフィール》岩瀬春美 福井県小浜市出身。人生の大半を米国ですごした曾祖父の日記を読んだことがきっかけでライターを志す。シアトルの日本語情報誌インターン、テクニカルライター等を経て、アサヒ・コム編集部のスタッフとして舞台ページを担当。2012年1月よりフリーランスのライターとして活動。

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