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特集(4)明るさが魅力、熱血人情派の緒月

2013年3月27日

写真:「モンテ・クリスト伯」より「モンテ・クリスト伯」より、ベルツッチオ役の緒月遠麻=撮影・岸隆子

 緒月さん演じるベルツッチオは熱血人情派。緒月さんの持つ濃い熱さと相まって、明るさが魅力的なキャラクターです。こちらも、復讐という名の鎖に縛られ、自分を見失うダンテスを根気よく諌めるのですが、ファリアとベルツッチオがダンテスを思い、訴えるセリフの一つひとつに胸を突かれてしまいました。もしかしたら誰しも心の奥底に思いあたる部分があるのかもしれません。

 閉ざされた空間から逃れられない絶望。そこから生まれる、自分を陥れた者への憎悪―。

 ダンテスは司祭に巡り会えたことで、脱獄ヘの希望を見出しますが、そのエネルギーの源はただひたすら復讐への執念のみでした。目的を果たしていくことで、ダンテスの心は救われるのでしょうか。憎しみだけを生きがいにしてきた彼が、やがてたどり着いた終着点とは…。

 クールで淡々とした印象の凰稀さんが激しく感情をほとばしらせ、情熱的に演じる姿はトップとしての求心力を強く感じさせてくれます。星組時代、「愛と青春の旅だち」でも憎らしい役を演じていましたが、まだわずかに青さの残っていたあの頃からくらべると、これは飛躍的なアダルト化でしょう。モンテ・クリスト伯となってよみがえった姿も、いかつい紳士でやっぱり渋くてカッコいい! 何を着てもサマになり、立ち姿の美しさだけで感動させられるのは、凰稀さんならではの強力な武器だと改めて思いました。

 全体的に重いストーリーではあるのですが、現代のハイスクールの生徒たちや、ベルツッチオの明るさがよい具合に空気を緩和し、憎しみの泥沼から這い上がるダンテスの心の変化や、メルセデスとの愛。さらに思いもよらなかった喜びの事実があるなど、胸が熱くなる場面もたくさんあります。ラストはすがすがしささえ感じられる、重厚かつ見ごたえのある作品でした。

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