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特集(5)豪華幕の内弁当のようなショー

2013年3月27日

 2幕のショーは、「Amour de 99!! ―99年の愛」。99年目を迎える宝塚歌劇の歴史の中で、人気が高かったショーやレビューを織り交ぜた、いつもの藤井大介先生の作品とは少し趣が違った内容となっています。次々と現れる名シーンの贅沢さは、まるで各組のスターが競演するタカラヅカスペシャルのよう。昔ながらのファンには懐かしさを、新しいファンには知らなかった伝統がたっぷり味わえそうです。

 オープニングは、日本物ではおなじみの「チョンパ」から。パッと照明が一瞬で明るくなると、舞台上と銀橋に出演者がズラリ並んでいるという、目の覚めるような演出で、客席からも思わずため息が出そう。男役は白燕尾、女役も白地に黒の刺繍やリボンがほどこされた可愛らしいドレスで、華やかなレビューの幕が開きました。

 昔ながらのファンにはたまらないショーが続々と登場しますが、最大の目玉は、なんといっても男役トップスターが「ダルマ」の衣装で登場する1960年作「華麗なる千拍子」の「パイナップルの女王」でしょうか。寿美花代さんや轟悠さんも演じた有名なキャラクターですが、今回は凰稀さんが見事な脚線美を披露し、お客さんの視線を釘付けにします。

 大舞踏会で泥棒紳士が令嬢を狙う、86年作「メモアール・ド・パリ」の「パッシィの館」では、実咲さんと朝夏さんが優雅なワルツを披露するほか、67年作「シャンゴ」では、夕焼け空の下、専科の美穂圭子さんの朗々と響く歌声をバックに、凰稀さんと女役に扮した緒月さんが踊る、絵画のような美しいシーン。

 そのほか、歴代の名演出家、内海重典、横澤英雄、高木史朗、小原弘稔、鴨川清作の5人が作り出した名シーンも、当時の写真をスクリーンに映し出しながら再現。ここでは、男役の澄輝さやとさん・愛月ひかるさん・蒼羽りくさんと、娘役のすみれ乃さん・瀬音リサさん・伶美さんらフレッシュトリオなどが中心となって活躍します。7月のバウホール公演の主演が決まった蓮水さんと七海さんのコンビ、美女に囲まれた悠未さん、などバラエティーに富んだ短いシーンが数多くあるので、若手スターが随所で活躍できるのもいいですね。

 大階段の黒燕尾群舞では、なんと男役たちが1本の赤いバラを手に踊ります。さらに最後は凰稀さんが銀橋でひざまづき、最前列のお客様にそのバラをプレゼントという、なんとも粋な演出で憎い!

 まるで老舗料亭の自慢メニューがぎっちりつまった、豪華幕の内弁当のようなショーです。重厚なお芝居と合わせて、お花見気分で楽しんでみてはいかがでしょうか。

◆「モンテ・クリスト伯」
《宝塚大劇場公演》2013年3月15日(金)〜4月15日(月)
⇒詳しくは、宝塚歌劇団公演案内へ http://kageki.hankyu.co.jp/revue/324/index.shtml
《東京宝塚劇場公演》2013年5月10日(金)〜6月9日(日)
⇒詳しくは、宝塚歌劇団公演案内へ http://kageki.hankyu.co.jp/revue/325/index.shtml

《筆者プロフィール》さかせがわ猫丸 大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。

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