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特集(4)真風、轟の背中を見る貴重な機会

2013年4月2日

写真:「南太平洋」より「南太平洋」より、ジョセフ・ケーブル役の真風涼帆=撮影・廣江修

 ―ある日、本島の総司令部から、海軍中尉のジョセフ・ケーブル(真風)がやってきた。敵軍が支配するマリー・ルイーズ島を偵察するためで、かつて島に農園を持っていたエミールに協力を求めたいという。ブラケット大佐(一樹)に呼び出され、エミールについて尋ねられたネリーだが、実は彼について何も知らないことに気づく。親にも反対され、この恋をあきらめかけたネリーのもとへ、エミールがパーティーの招待状を持ってやってきた。だが、もっと自分のことを知ってほしいとエミールから語られた過去に、ネリーは衝撃を受けてしまう。エミールの亡き妻は、ポリネシア人だったのだ。

 ジョセフ・ケーブルを演じる真風さんの登場は、颯爽としていていかにもスターらしい風格で、でもどこか悲劇の予感を漂わせる憂いの表情は、真風さん自身の持つキャラか、深い演技力か…いずれにしても今作品は、轟さんの背中を見て、日々成長できる貴重な舞台となるに違いありません。

 ブラケット大佐の一樹さんは相変わらずダンディーなおじさまで、芝居をピリッと引き締め、部下のウィリアム・ハービソン役の美稀千種さんもいい味を出しています。

 ネリーは故郷の母から交際をとがめられたことで自信を無くし、彼をあきらめようとしますが、その時のナンバー「あの人を洗い流そう」は、特に楽しい場面。舞台上で水着に着替え、頭にシャンプーの泡を乗せて歌い踊るという大胆さで、ネリーの底抜けな明るさを表現しています。意地になってあきらめようと大騒ぎしながらも、エミールに会ったらやっぱりとろけてしまう。そんな愛らしい女性が生き生きと描かれていました。

 ネリーを愛したエミールもまた、チャーミングなんです。おおらかで優しくて落ち着いた、大人すぎる男性なのですが、恋の前には少年のようにピュアになってしまう、その落差がたまりません。実はエミールには2人も子どもがいたのですが、「2人の子持ち」という所帯じみたキーワードがなぜか、轟さんにかかると、さらに魅力アップな背景になるから不思議です。

 さすが演出の原田諒先生が「エミールを演じきれるのは、轟悠以外に考えられなかった」と言い切っただけあり、轟さんは包容力たっぷりに演じていました。

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