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特集(5)真飛:宝塚を出ると「生活感」が課題になる

2013年4月19日

写真:「マイ・フェア・レディ」制作発表より「マイ・フェア・レディ」制作発表より=撮影・岩村美佳

――お互い「こういうことをやって欲しい」とか「こういう役が見たいな」とか、ありますか? たとえば霧矢さんだったら、真飛さんに対して…。

真飛:「声芸」ですか?(笑)

霧矢:いや、だって彼女は退団後1作目からあまりにも自然に女優さんだったので、何でもできるんじゃない?と思っちゃう。私、たまたま実家に帰ってたとき、普通に新聞を読んでたんですよ。「新聞も読まなきゃ」と思ってね(笑)。そうしたら彼女が新年の記事に出ていて、「いろんな役に挑戦したいし、生活感のある役も普通にやりたい」と書かれていて。私たちお互い料理が趣味だったりするのですが、彼女も自分のことをちゃんと自分でやる人なんですよ。だから、そういうのもすごくいいと思う。

――確かに、真飛さんは映像の世界でも活躍していらっしゃいます。

霧矢:宝塚の方が映像の世界にすっと入って行くのって案外難しいと思うんですが、本当にスムーズにチェンジされたなあと思いますね。

――真飛さんは、霧矢さんに対して、いかがですか?

真飛:霧矢さんは、卒業されてから、お芝居は今回が初めてですものね。だから、おそらくご本人としても未知だと思うのですが、でも、霧矢さんってみんなを「行くで行くでぇー」と引っ張って行きそうな、「肝っ玉母ちゃん」みたいなところがあるじゃないですか。だから、たとえば舞台は大阪で、昭和の時代のお母さんみたいな役とか? 私も、子どもがいる役もやりましたけど。

霧矢:そうだね。

真飛:私たちって今まで「生活感をいかに出さないか」という、リアルでないところで芝居を作っていく世界にいましたから、これから普通に女子としてやっていくには「どこまで生活感を出せるか」というのが、課題になるんだと…宝塚出身の方は皆さんそうだと思うんです。でも、女の子って可愛らしさは絶対にあるじゃないですか。だから、霧矢さんだってその(笑)…中身はすごく女子で、可愛らしいんですよ。

霧矢:女子? 中の部分が? そう??

真飛:にも関わらず、一見大阪弁で「なんとかやねん!」とか言っちゃう感じが、いいんですよ。だから、そういう役もやりつつ、すっごく可愛い役もやって、自分で「あ、あたしの中にこんなところあったんや」っていうのを気づいて欲しいなあ、みたいな。霧矢さんは、はたから見たらめっちゃ可愛いのに、「いや〜そんなん似合わへんし」みたいに思われてるのですが、私は「そんなことはない」と確信しています。だから、可愛い役が来たときに、「あれ? あれ? 何だか楽しんでいる自分がいるわ」と気づく日がきっと来ると思うんです。

霧矢:(笑)

――それでは、霧矢さんは今のお話を参考に、肝っ玉母ちゃんも。

真飛:肝っ玉母ちゃんから可愛い役までね。

霧矢:大阪のおばちゃんとかね。

真飛:おばちゃんとか、ホントやってみたい! スーパーに行って、大根担いで。

霧矢:そうだね。

――どうもありがとうございました!

〈インタビューを終えて〉
 終始笑い声が絶えず、とても楽しいインタビューとなった(「声芸」があんなにウケてしまうとは…失礼しました)。中でもとりわけ印象に残ったのは、最後の「生活感」の話だった。夢を売るタカラジェンヌが外の世界に飛び出したとき、必ず対峙する問題なのだろう。宝塚のファンの中にも、憧れだったスターさんの中に生活感が垣間見えることを嫌がる人も、確かに多い。

 だが、お2人は敢えてこの難しい「生活感」の問題にきちんと向き合い、ひとりの女性として、自分らしく消化していこうとしている。その姿勢が私は、とても素敵なことだなあと感じ入ってしまった。在団中から「料理が得意」ということでも知られていたお2人だが、そんな風にこれまでもひとりの女性としての生活を大切にして来たからこそ、できることなのかもしれない。

 でも、ちょっと待て…と思わず想像してしまった。お2人が、スーパーに行って大根を担いで帰って来る役を演じる姿。それはやっぱり凛々しくカッコ良くなってしまうに違いないのだ。(中本千晶)

◆「マイ・フェア・レディ」
《東京公演》2013年5月5日(日)〜28日(火) 日生劇場
《金沢公演》2013年6月7日(金) 金沢歌劇座
《福岡公演》2013年6月11日(火)〜12日(水) キャナルシティ劇場
《名古屋公演》2013年6月15日(土)〜16日(日) 愛知県芸術劇場 大ホール
《大阪公演》2013年6月21日(金)〜23日(日) オリックス劇場
⇒詳しくは、「マイ・フェア・レディ」公式サイトへ http://www.tohostage.com/myfairlady/index.html

(関連リンク:霧矢大夢公式サイト) http://www.hiromukiriya.com/

(関連リンク:真飛聖公式ホームページ) http://www.watanabepro.co.jp/mypage/artist/matobusei.html

(関連リンク:真飛聖オフィシャルブログ) http://ameblo.jp/sei-matobu-we/

〈霧矢大夢 衣装協力〉東レ・ディプロモード/ヴィンス、ヴァン クリーフ&アーペル ル デスク/ヴァン クリーフ&アーペル
〈霧矢大夢 スタイリスト〉犬走比佐乃
〈霧矢大夢 ヘアメイク〉鎌田直樹

〈真飛聖 衣装協力〉エリザベッタ フランキ/エスケーシー
〈真飛聖 スタイリスト〉津野真吾
〈真飛聖 ヘアメイク〉灯(Rooster)

《インタビュアー・プロフィール》中本千晶 フリージャーナリスト。宝塚関係の著作に「宝塚読本」(文春文庫)、「なぜ宝塚歌劇に客は押し寄せるのか」(小学館新書)、「なぜ宝塚歌劇の男役はカッコイイのか」(東京堂出版)。2012年11月に「ヅカファン道」(東京堂出版)を出版。スターファイルでも「ヅカナビ」連載中。

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