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特集(3)華やかなショーに客席大興奮!

2013年4月26日

写真:台北国家戯劇院でリハーサルをする宝塚歌劇団星組台北国家戯劇院でリハーサルをする宝塚歌劇団星組=撮影・竹花徹朗

 さて、盛り上がったのはやはり何といっても第3部のショー「Etoile de TAKARAZUKA」だった。幕が開くとそこには「TAKARAZUKA」の巨大な文字が吊られ、とても豪華。大階段は全20段。本家宝塚大劇場の大階段が26段なのだから、この段数にも台湾公演に賭ける気合いが感じられる。客席もそれまでとは雰囲気が一変して、たちまちどよめきと興奮に包まれた。

 ここぞという場面が終わるたびに、客席からは素直な歓声が起こる。プロローグや中詰めが終わるタイミングや、ラインダンスの場面などはもちろん、トップ娘役夢咲ねねが男役を引き連れ、パンチをきかせて歌う「セ・マニフィーク」の場面もそうだった。

 フィナーレ近くの場面では、台湾でおなじみの楽曲も中国語で披露された。まず、テレサ・テンが歌ったことで知られる「月亮代表我的心」を柚希が歌い始めると客席のテンションが一気に上がる。続いては、台湾民謡「望春風」による大階段での男役群舞、映画「海角七号」より「無楽不作」を紅ゆずるが歌い、この「無楽不作」と宝塚おなじみの「すみれの花咲く頃」のフレーズを組み合わせたアレンジによる男役群舞。そして、「国境之南」による柚希、夢咲によるデュエットダンス。客席の盛り上がりもいよいよ最高潮に達した。

 私たちの左側に座っていた中年の女性は、親戚一同で観に来た様子だったが、見どころが来るたびに、前の席に座っている白髪のおばあちゃんに巨大なオペラグラスを渡していた。おそらく、「ほら、おばあちゃん。ここはちゃんと観たほうがいいよ」ということなのだろうが、ショーが始まってからはその受け渡しが次第に頻繁になり、最後には自ら「ひゅぅ〜!」と歓声を送っていた。

 カーテンコールでは、自然とスタンディングオベーションが。ここで私も立ち上がってみて、客席の男性率の高さ、しかも年配の男性が多いことに改めて驚かされた。客席からの歓声に、柚希も「台湾愛してる!」と中国語で応えていた。海外公演が4度目となる柚希はさすが、堂々としたものだ。初日近くにしてこれだから、千秋楽の頃にはどうなっていることだろうと、その盛り上がりを体感できないことが少し残念だった。

 今回は観劇のついでに、ごく普通の観光客として台湾を楽しんで来た。庶民の味が何でも美味しいという、その食文化の豊かさを堪能し、台北故宮博物院で中国4000年の歴史に圧倒された。恥ずかしながら、現代の「二つの中国」の歴史について改めて考えさせられたのも初めてのことだった。

 アジアには「近くて遠い国」が意外に多い。タカラヅカが今後、海外進出を果たして、日本の私たちとそんな国たちとの架け橋にもなってくれるのなら、それはそれで、とても意義あることなのではないかと思う。

◆「宝塚ジャポニズム 〜序破急〜」「怪盗楚留香(そりゅうこう)外伝 ―花盗人(はなぬすびと)―」「Etoile de TAKARAZUKA(エトワール ド タカラヅカ)」
《国立中正文化中心 台北国家戯劇院公演》2013年4月6日(土)〜4月14日(日)
※公演は終了しています。

《筆者プロフィール》中本千晶 フリージャーナリスト。1967年山口県生まれ。東京大学法学部卒業。株式会社リクルートで海外ツアー販売サイトの立ち上げおよび運営に携わる。2000年に独立。小学校4年生のときに宝塚歌劇を初観劇し「宝塚に入りたい」と思うも、1日で挫折。社会人になって仕事に行き詰まっていたとき、宝塚と再会し、ファンサイトの運営などを熱心に行なう。宝塚の行く末をあたたかく見守り、男性を積極的に観劇に誘う「ヅカナビゲーター」。12年11月に「ヅカファン道」(東京堂出版)を出版。

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