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特集(2)音月さんと一緒の退団が、私の夢でした

2013年5月1日

写真:舞羽美海撮影・伊藤華織

――音月さんの相手役として「はじめて愛した」では愛加あゆさんが、「ロミオとジュリエット」では舞羽さんと夢華あみさんがダブルキャストでヒロイン役をされました。その後、舞羽さんが主演娘役として決まりましたが、その経過をご自身はどう感じていらっしゃいましたか?

 自分がトップ娘役になるとは全く思っていませんでした。「ロジェ」の頃に初めてお芝居が楽しいと思え、そこから初めて「やりたい」と思えるようになりました。ジュリエット役のオーディションを受けたとき、オーディションが終わったらこの曲をもう歌わないのかと思って「この役をやってみたい」と初めて思ったんです。それまでは与えて頂くことが多くて、何とか乗り越えていくだけでしたけれど、ジュリエットのときから変わりましたね。比べられるのがすごく苦手で、オーディションも苦手なんですよ…(笑)。そういうプレッシャーに弱いんですけれど、主演娘役のお話を頂いてからはもうやるしかないという状況で、嬉しい気持ちと不安や焦りがありました。そこから、音月さんの隣に立つ立場として、出来る限りの努力をしようという思いで現実的になった部分もありました。

――嬉しい思いよりも?

 やらなきゃいけないという気持ちが大きかったかもしれないです。三拍子揃っているスターの音月さんの相手役として、自分の出来ていない部分が明らかにわかっていたので…。音月さんだったら歌がたくさんあるだろうし…とか。それと、次の作品を伺っていると、再演が続いていることもあったんですね。私の中では、初演に勝るものはないという思いがあるんですよ。お客様には初演のイメージが残っているので、そこをいい意味でぶつかっていって、どれだけ自分の役に出来るかとプレッシャーを感じる部分もありました。

――お2人を舞台で拝見していて、温かい気持ちになる愛に溢れたコンビという印象だったのですが、ご自身ではいかがでしたか?

 音月さんの包容力です。がむしゃらな私を温かく見守ってくださる…。でもそのなかで絶対に答えを言う方じゃないんです。押し付けることは絶対にしない方で、どうにかそこから這い上がれるように色んな方向から言ってくださったり、練習に何度も付き合ってくださったり、大きい心をお持ちの方だなと。本当に感謝しかありません。音月さんの相手役で良かったという思いが強くて、音月さんだから今の自分があると思うんですよね。技術でもすごく引っ張って頂いたと思いますし、こうやって歌うんだ、というのも音月さんから学びました。お芝居も毎日固定する方じゃないので、そのなかで自分が毎日新鮮に舞台に立てたんじゃないかなと。娘役冥利につきるというか、幸せな時間を頂いたなと思います。

――「幸せな時間」っていいですね。

 皆さんがいう「太陽みたいな方」だったので、組の雰囲気もすごく明るくて楽しい稽古場でした。私も音月さんの隣にいて恥ずかしくない存在でいたいと思いました。俳優としてだけではなく、人としてもすごく学ぶことが多かったです。

――娘役は男役に比べると在団期間が短く、舞羽さんも6年間と短いかなと思います。退団を決めたきっかけや、宝塚をやり遂げた思いなどはどうだったのかお伺いできますか?

 主演娘役のお話を頂いたときから決めていたところもあって、音月さんと一緒に退団したいということが私の最後の夢だったんです。そのゴールまで止まらずに必死に成長し続けたい、日数よりもどれだけ充実していたかということを重視していました。幸いなことに下級生のときからたくさんの役を経験させて頂くことができました。ゴールはないですけれど、引き継ぐというのも宝塚の伝統かなと。もちろん一緒に退団するということは自分の夢であって、人それぞれに思いは違うと思いますが、私の場合は次の方に2人で一からトップコンビを築き上げて頂きたいとも思いました。私は、娘役として宝塚に在籍したなかで、音月さんの相手役でいたかったんですね。それが一番大きいのかなと思います。

――後から振り返ったときに、舞羽さんといえば、音月さんの相手役でありたかった。

 そうなんです。やっぱり次の方が誰かということではなくて、2人で作ってきた空気感やその舞台が好きだったので、昨年の12月24日というゴールを目指して一緒に頑張りたいという思いでした。

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