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特集(5)涙してしまう、愛加の情深い演技

2013年5月2日

写真:「ベルサイユのばら ―フェルゼン編―」より「ベルサイユのばら ―フェルゼン編―」より、フェルゼン役の壮一帆(写真左)とマリー・アントワネット役の愛加あゆ(右)=撮影・岸隆子

 衛兵隊の班長アランを演じるのは彩風咲奈さん。立ち姿からはまだ青く、遠慮がちな若さを感じてしまいました。短時間でアランのキャラを出すのは難しそうですが、雪組の中心となる才能あるスターさんなので、演じるうちに進化していくのではないでしょうか。アルマン役の鳳翔大さんは押し出しも強く、熱い演技が光ります。お茶目な可愛さも持っているので、こちらも今後の活躍が楽しみです。彩凪さんのベルナールは、革命派の新聞記者。市民とともに立ちあがる群舞でソロが欲しかったところですが、全編通して力強く演じています。

 フェルゼンがようやくたどりついた牢獄で、アントワネットはすでに覚悟を決めていました。フランスの女王として最後まで勇ましく、全うする姿はこれぞマリー・アントワネット。断頭台への階段をゆっくりと上る姿に、フェルゼンが叫ぶラストシーンは何度見ても感動的で、アントワネットの愛加さんは演技も情深く、今回もやっぱり涙してしまいました。

 そんな劇的なシーンの余韻に浸りながら、初舞台生が大階段から降りてくるという演出がまたたまりません。さらに今回は銀橋での足上げもあり、若さのキラキラパワーを客席にもめいっぱい振りまきます。フレッシュな1年生の弾ける姿は、まったく違った気持ちで胸が熱くなりそう。未来の宝塚を背負う彼女たち、ここからどんなスターが誕生するのでしょうか。

 「ベルサイユのばら」は、有名な場面の連続です。壮大なストーリーを一度に把握することは困難ですが、それぞれのシーンが独立して満足させてくれるのも大きな特徴でしょう。様式美に基づいた演出であっても、そこからにじみ出る味わいがあります。フェルゼンとアントワネット、オスカルとアンドレ、二つの物語における名曲や名場面はどれもやっぱり欠かせない。この2作がそろってベルばらなんだと、あらためて実感しました。

 柚希さん、凰稀さん、龍さんの特別出演日には、アンドレがオスカルに毒薬を盛るシーンが追加され、フィナーレナンバーに「小雨降る径」があるとか。ぜいたくな試みも、ベルばらだからこそでしょうか。

 少女漫画を舞台化し、宝塚歌劇の良さを最大限に楽しめる「ベルサイユのばら」。やっぱり何年経っても、人気は衰えそうにありません。

◆「ベルサイユのばら ―フェルゼン編―」
《宝塚大劇場公演》2013年4月19日(金)〜5月27日(月)
⇒詳しくは、宝塚歌劇団公演案内へ http://kageki.hankyu.co.jp/revue/314/index.shtml
《東京宝塚劇場公演》2013年6月14日(金)〜7月21日(日)
⇒詳しくは、宝塚歌劇団公演案内へ http://kageki.hankyu.co.jp/revue/315/index.shtml

《筆者プロフィール》さかせがわ猫丸 大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。

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