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特集(2)物静かに高貴な雰囲気を醸し出す咲妃

2013年5月10日

写真:「月雲の皇子 ―衣通姫伝説より―」より「月雲の皇子 ―衣通姫伝説より―」より、木梨軽皇子役の珠城りょう(写真右)、衣通姫役の咲妃みゆ(中央)、穴穂皇子役の鳳月杏(左)=撮影・岸隆子

 ―彼らには守りたい大切な妹、衣通姫がいた。衣通姫は、兄弟がまだ幼かった頃、土蜘蛛の邑で拾われ、ともに仲良く育ってきたが、今は兄弟たちと引き離されて国の安泰を祈願する巫女となり三輪山で暮らしている。そんな衣通姫が、允恭天皇の病気平癒を祈祷するため、9年ぶりに遠飛鳥宮へ呼び戻された。美しく成長した妹に2人の兄は心動かされるが、神聖な巫女である衣通姫には、たとえ兄弟でも男とは口をきいてはいけないという掟があった。

 衣通姫を演じる咲妃さんは、明日海りおさん主演の「春の雪」に続き、バウ公演のヒロインは2度目。前回の役は深窓の令嬢でしたが、気品あふれるという点で、今回も雰囲気はよく似ています。物静かな中にも芯の強さを感じさせ、高貴な雰囲気を醸し出せるのは、彼女の最大の強みかもしれません。

 木梨と穴穂の周囲には、癖のある人物が幾人も登場しますが、専科の夏美ようさん演じる身狭村主(むさのすぐり)青(あお)は、その最たるもの。王家の参謀を務める渡来人らしく、水墨画に出てきそうなルックスも独特で、いかにも腹に一物ありそう。

 允恭天皇の妃で、2人の母親でもある大中津姫(おおなかつひめ)には琴音和葉さん。発声にもきちんと年齢を刻み込んでいて、氷のような冷徹さに皇后らしい威厳がたっぷり。けれどただシビアなだけでなく、後半には母の優しさを垣間見せるなど、情感を込めて演じています。

 王家の記録・文書を司どる史部(ふひとべ)の博徳(はかとこ)役の輝月ゆうまさんは、若者たちに文字を教える先生で、兄弟の恩師という重厚な役柄。研5と若手ですが違和感はまったくなく、夏美さんと論じ合うシーンもごく自然に対等で、専科さんかと見まがうほどの実力を見せてくれました。ほかにも、王家に仕える老婆・麻忍(まぬ)役の白雪さち花さんなど、若手たちが幅広い年齢層の役柄を高いレベルで熱演していることも、作品のクオリティーを高めています。

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