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特集(5)BGMも効果音もない圧巻の兄弟対決

2013年5月10日

写真:「月雲の皇子 ―衣通姫伝説より―」より「月雲の皇子 ―衣通姫伝説より―」より、木梨軽皇子役の珠城りょう(写真左)、穴穂皇子役の鳳月杏(右)=撮影・岸隆子

 さらに今回は殺陣のシーンが多く、特にクライマックスの兄弟対決は圧巻でした。BGMもなければ、効果音もない。黙々と剣を合わせるだけの演出が、木梨と穴穂がたどり着いた切ない結末を痛いほどに物語り、涙なくしては見られません。ひたすらに国を思う心は、ともに同じだったはず。ただ、「生き方」が違っただけで…。

 冒頭のナレーションが再び波の音とともに流されることで、その余韻はいつまでも深く深く心に残りました。

 これが上田さんのバウデビュー作だということに感激です。飽きさせない展開と、下級生まできっちり使って役者の力量を最大限に引き出し、こうあってほしいと思うツボを的確に押さえてくれる演出力が、まだスタートだなんて。これから一体どんな素敵な作品を生み出してくれるんだろうと、大きな楽しみが出来ました。

 そしてそんな上田さんの手によって、魅力を開花していく珠城さん。いつの間にこんなイイ男になっていたのかと、思わず動揺してしまったほどカッコ良かった! 珠城さんと鳳月さんにとって、きっとここが大きなターニングポイントに、また、これからスターへと成長して行く月組の若手たちにとっても、さらにステップアップする舞台となったに違いありません。

 次代を担う演出家や若手の台頭がまぶしくて、ますます100周年が楽しみになってきました。

◆「月雲の皇子 ―衣通姫伝説より―」
《宝塚バウホール公演》2013年5月2日(木)〜5月12日(日)
⇒詳しくは、宝塚歌劇団公演案内へ http://kageki.hankyu.co.jp/revue/328/index.shtml

《筆者プロフィール》さかせがわ猫丸 大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。

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